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2017 Fiscal Year Research-status Report

未検討資料を通してアヴェロンの野生児の実像を明らかにする試み

Research Project

Project/Area Number 16K13469
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

鈴木 光太郎  新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (40179205)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywordsアヴェロンの野生児 / 人間観察家協会 / 野生児
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、「アヴェロンの野生児」に関する文献や文書の調査を、アヴェロン県文書館およびフランス国立図書館にて行なった。
アヴェロンの野生児とは、1800年1月に南フランスの山中のアヴェロン県で発見・保護された少年で、フランス内務省と人間観察家協会という学会の強い要請によって、同年の8月にパリに移送され、同年の12月から1804年末まで国立聾唖学校の医師であったジャン=マルク=ガスパール・イタールの教育を受けた(教育はその後は続けられなかった)。
今回の調査の結果、「野生児」とされた少年は、保護される以前には村の周辺の森のなかで単身で生活してはいたものの、村人と交渉があったという報告が当時に出されており、パリへの移送されるまえには、「野生児」とは言えないのではないかという議論があったことが明らかになった。
また、アヴェロンの野生児の発見・保護から教育の断念までの期間(1800年1月~1804年末)は、人間観察家協会という学会の設立と消滅(1799年12月~1804年末)の時期と完全に符合する。この野生児の診断・教育にあたったのは、精神科医のフィリップ・ピネル、聾唖教育者で聾唖学校校長のシカール神父、そして上記の医師のイタールだったが、彼らはみな人間観察家協会の会員であった。この時期的符合は、人間観察家協会の一大研究プロジェクトして、アヴェロンで見つかった少年が「野生児」という研究対象として仕立てられた可能性を暗示する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

計画書のなかで想定していた文献や文書の大半を確認できている。また、研究実績の概要に記したような新たな知見も得られている。

Strategy for Future Research Activity

平成30年度は、アヴェロン県文学・歴史・美術資料館所蔵の資料の調査を実施する予定である。平成30年度をもって本研究課題は終了となり、研究成果は単行本として出版の予定である。

Causes of Carryover

平成29年度中には、現地での調査スケジュールがうまく組めなかったため、平成29年度末から30年度初めにかけて、年度をまたいでの調査を実施した。平成30年度は、アヴェロン県文学・歴史・美術資料館所蔵の資料の調査を実施する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2018

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 時代の産物としてのアヴェロンの野生児2018

    • Author(s)
      鈴木光太郎
    • Organizer
      新潟心理学会第45回大会

URL: 

Published: 2018-12-17  

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