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2016 Fiscal Year Research-status Report

対人援助職の外傷後ストレスとバーンアウトを予防・回復する支援介入法の開発

Research Project

Project/Area Number 16K13487
Research InstitutionOita University

Principal Investigator

上野 徳美  大分大学, 医学部, 教授 (50144788)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 安達 圭一郎  神戸松蔭女子学院大学, 人間科学部, 教授 (90300491)
Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
Keywords外傷性ストレス / 外傷的出来事 / 支援ニーズ / 援助要請 / メンタルヘルス / 支援介入法
Outline of Annual Research Achievements

対人援助職の外傷性ストレスとバーンアウト予防・回復に向けた支援のあり方を探るために、看護師を対象にした調査研究を行った。看護師は患者・家族、同僚や医師などさまざまな人たちと接するため、仕事や人間関係の上で強いストレスを経験することがある。とりわけ、外傷的出来事の体験は看護や患者・家族への接し方、自身のメンタルヘルスなどに大きな影響を与えることがある。そこで、総合病院勤務の看護師を対象に、1)医療現場で外傷的出来事をどの程度、体験しているか、どのような出来事が多いか、またその相手や対象は誰か、2)外傷的体験は現在の仕事や人間関係、離職希望などにどのような影響を与えているかを詳しく調査した。
調査の結果、外傷的出来事の体験のある者は52.8%、ない者は47.2%で、体験した者が全体の半数を超えていた。また、その相手・対象の中では、患者が62.7%と最も多く、次に同僚の看護師、医師、家族という順で、患者と同僚の看護師が大半(86%)を占めていた。また、外傷的出来事を体験した看護師のうち、32%が体験した出来事について具体的に回答しており、その中では、患者の自殺、急変・急死、暴言・脅しなどが最も多かった。具体的な回答を避けた体験者も多く、開示できないような強いストレスを体験した者が少なくないことを示唆している。
さらに、外傷的体験は現在の仕事と人間関係のいずれにも悪影響があると感じており、特に仕事に影響があると感じている者が多かった(体験者の約67%)。また、今の仕事を辞めたいという離職希望は体験者の方が有意に強かった。このように、外傷的出来事は、現在の仕事や職場の人間関係、離職意図に影響を及ぼしていることが明らかになった。以上の調査結果を昨年末の九州心理学会第77回大会において発表し報告した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成28年度の当初に計画した調査研究の実施と調査データの整理・分析は、おおむね予定通りに進んでいる。研究成果の一端も学会で発表することができた。

Strategy for Future Research Activity

平成29年度は、昨年度後半に実施した調査データの整理と結果の分析、考察をさらに進める。外傷的出来事を体験した後、看護師は周囲にどのような支援を求めているか、誰に援助を求めているか、また、外傷的出来事を体験することで、バーンアウトや抑うつ、外傷性ストレス症状などにどのような影響が生じるかを明らかにする。さらに、バーンアウトや外傷性ストレス症状などを軽減・回復する要因などを分析し、対人援助職の外傷性ストレスやバーンアウトの予防と回復のための心理学的支援や介入の方法を研究し考察する。それらの成果をまとめ、日本健康心理学会等の学会において発表する予定である。
以上のような継続研究や分析を進める中で、さらに詳細なデータや資料が必要な場合は、追加の調査と分析を行う。

Causes of Carryover

調査協力者への謝礼が当初計画より少なく済んだことや、調査結果を分析するための統計解析ソフトの購入を次年度に延ばしたこと、さらに、研究成果発表のための学会出張が隣県であったため、旅費した使用が少なかったことが理由として挙げられる。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度は、調査結果の分析をさらに進めるための統計解析ソフトの購入や、調査結果の整理・分析を行うための謝金、研究打ち合わせのための旅費、学会発表のための旅費などに使用する計画である。

Research Products

(1 results)

All 2016

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 対人援助職の外傷性ストレスとバーンアウト予防2016

    • Author(s)
      上野德美・安達圭一郎・大戸朋子・山本義史
    • Organizer
      九州心理学会第77回大会
    • Place of Presentation
      西南学院大学(福岡県福岡市)
    • Year and Date
      2016-12-03

URL: 

Published: 2018-01-16  

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