2017 Fiscal Year Research-status Report
高等教育における演劇的手法を用いた教育プログラムの事例分析と設計指針の構築
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16K13525
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Research Institution | Kyoto University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
蓮 行 京都外国語大学, 外国語学部, 非常勤講師 (10591555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 佳代 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 教授 (30222300)
田口 真奈 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 准教授 (50333274)
平田 オリザ 東京藝術大学, 学内共同利用施設等, 教授 (90327304)
斎藤 有吾 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 研究員 (50781423)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 演劇 / ワークショップ / シラバス / 教育方法 / 授業設計 / 模擬 |
Outline of Annual Research Achievements |
演劇的手法を用いた授業が全国の大学でどれほど実施されているか明らかにするために、インターネット上で大学のシラバスを収集し、分析した。収集にあたっては、まず全体的な傾向を明らかにすることが肝要であると考え、国立/公立/私立大学のうち国立大学86校を対象とした。国立大学86校のうち、インターネット上でシラバスを公開している大学は80校、非公開大学は6校であった。シラバスを公開する大学80校のうち、キーワード検索機能を備える大学は65校であった。この65校の大学について、「演劇」「ドラマ」「ロールプレイ」「模擬」の4つのキーワードでシラバスを検索した。ヒットした授業を「演劇的手法を用いた授業」であるとみなし、「演劇的授業」と呼ぶこととした。 シラバスのキーワード検索が可能な65大学において、「演劇的授業」を開講する大学の割合は92.3 %(60/65)であり、多くの大学で「演劇的授業」が実施されていることが分かった。「演劇的授業」を開講する大学の割合が最も高かった地域は中国・四国及び九州・沖縄(100 %)、次に東海・北陸・近畿(94.7 %)であった。ただし、4つのキーワードのヒット数と割合は「演劇」649(15.9%)「ロールプレイ」653(16.0%)、「ドラマ」231(5.6%)、「模擬」2556(62.5%)であり、「模擬」が圧倒的に多かった。「模擬」には「模擬授業」「模擬患者」など演劇的要素を含むと考えられるものから、「模擬テスト」「模擬刀」など明らかに演劇とは関係がないものまで様々なものが含まれていた。そのため、「模擬」を含むシラバスを精査し、「演劇的授業」といえるものといえないものに分別する必要がある。 分析にあたっては、特に学部別の開講状況を詳しく検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請段階では平成29年度に演劇的手法による教育プログラムを設計し高等教育機関において実践する予定であったが、実践を平成30年度に見送ったため、やや遅れている。 教育プログラムの設計に入る前に、高等教育機関における「演劇的授業」の実施状況に関する分析が必要である。そのために平成29年度は国立大学のシラバス収集を行ったが、シラバス収集は膨大な時間を要する作業であり、1年かけてようやく集めることができた。そのため教育プログラムの設計が遅れているが、シラバス分析の目途が立ったため、最終年度中に設計・実践・フィードバックを行い、申請当初の最終目標であった演劇的手法による教育プログラムの体系的な設計手法の確立に到達できる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は大きく3段階に分けられる。(1)シラバス分析による「演劇的授業」実施状況の整理、(2)全国の実施状況をふまえた演劇的手法を用いた教育プログラムの設計および実践、(3)新たに設計した教育プログラムの発表である。 (1)シラバス分析については、特に学部別の開講状況を詳しく検討する。「演劇的授業」があまり実施されていない学問分野があれば、なぜ実施されていないのか考察し、当該分野向における演劇的手法を用いた教育プログラムの必要性を検討する。 (2)教育プログラムの設計および実践では、(1)により明らかになるであろう「演劇的手法を用いた教育プログラムが必要であるにも関わらずあまり実施されていない」学問分野向けのプログラムを設計する。平成30年4~9月の間にプログラム設計を行い、10月以降の後期授業期間に2回×2大学の実践を行う予定である。実践の前後に質問紙調査やインタビュー調査を行い、プログラムの妥当性検証に用いる。 (3)シラバス分析の結果と教育プログラム実践の成果を整理し、学会発表および学術論文の形で公開する。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画では平成29年度に教育プログラムを設計し実践する予定であったが、その前段階である全国の「演劇的授業」調査方法を変更したため、調査に想定以上の時間を要した。そのため、平成29年度中に教育プログラムの実践に至らなかった。次年度使用額はその分である。 教育プログラムの実践は平成30年度に実施するため、次年度使用額も当初の目的どおり教育プログラム実践に充てる。
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Research Products
(1 results)