2017 Fiscal Year Research-status Report
キャンパスにおける文化的多様性への対応推進に向けた実証研究
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16K13544
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大西 晶子 東京大学, 日本語教育センター/国際センター, 准教授 (10436595)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 留学生支援 / 大学の国際化 / キャンパス風土 / 学生支援 / 多様性 / 多文化対応 / 留学生相談 / 学生参画 |
Outline of Annual Research Achievements |
29年度は28年度中に実施した調査を継続、またその結果を分析して学会などで報告を行うとともに、研究論文にまとめ学術誌への投稿を行った。 まず、28年度中に実施した留学生を対象としたインタビュー調査等の結果をまとめ、学会で成果を発表し、研究論文にまとめた(掲載決定済み)。また質的調査を踏まえて、留学生向けのキャンパス多文化風土評価尺度を作成し、日本語、英語、韓国語、簡体字、繁体字版の多言語版への翻訳作業を行った。翻訳版の内容の等価性を確認のちに、留学生を対象としたパイロット調査を実施し、尺度としての有効性を確認する作業を進めている。 次に、留学生を対象としたインタビュー調査より、大学の組織としての対応体制が、キャンパスの風土形成に強く寄与することが予想されたため、国立大学の留学生支援体制に関して調査を実施した。中でも、学生のニーズやニーズの変化を各大学がどのように把握しているのかを明らかにするために、各大学の学生調査の実施状況に注目し、その特徴を検討した。その結果、留学生等の少数派の学生のニーズの把握を可能とするような全学的な調査実施体制は十分に整備されていない状態が確認できた。調査結果を整理し、学術誌に投稿を行った(掲載決定済み)。 これら国内の関係者を対象とした調査結果と並行して、28年度に延期していた国外大学の訪問を行った。訪問先を、日本同様にアジア出身の学生を多く受け入れているが、日本とは異なる学生支援の体制を整備している豪州の大学とし、関係者の聞き取り調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予備調査に十分な時間をかけ、対象を広げて実施する必要性があると判断し、計画 を一部変更した。また学生・教職員等の協力を得る調査の実施において、調査協力者との日程の調整が難しい部分があり、スケジュールが全体的に遅れることとなった。ただし、研究自体は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
30年度は、留学生に加えて、国内学生等を対象に加え、調査を継続実施中である。研究の進み具合は順調であり、予定通り修了できるものと予想している。
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Causes of Carryover |
研究目的の達成には、予備調査により時間をかけ、対象を広げて実施する必要性があると判断し、計画を一部変更したことによって研究期間を1年延長した。新たに調査対象を広げることに伴い、調査協力者に対する謝金と、より高度な統計解析を可能とする統計ソフトの購入が必要であり、30年度の使用計画としている。
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Research Products
(2 results)