2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K13550
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
菅澤 貴之 同志社大学, 学習支援・教育開発センター, 准教授 (30551999)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 大学中退 / キャリア形成 / 高等教育論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、混交研究法(Mixed Methods Research)という量的調査と質的調査を組み合わせた研究手法を採用し、大学中退者の職業への移行やキャリア形成の変遷について、多元的な視点から検討することを目的としている。 研究初年度である平成28年度は、文献を通した「大学中退」現象に関する国内外の研究状況の整理・把握と先端的な統計分析手法の習得を主たる目的としていた。文献レビューについては、教育社会学のみならず、近接領域である高等教育論から労働経済学、社会保障論など、できる限り広範な学問領域について検討し、主要な論点の把握に努めた。その結果、分析枠組みの着想を得ることができた。 次に、先端的な統計分析手法を習得するために、ICPSR(The Interuniversity Consortium for Political and Social Research)国内利用協議会が主催する統計セミナー(平成28年8月23日~8月24日)ならびに東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センターが主催する計量分析セミナー(平成28年8月31日~9月3日)に参加した。セミナーへの参加により、独学では習得が困難であった統計ソフトウェアRの操作法、ベイズ統計学、マルチレベル分析、パネルデータ分析等について理解を深めることができた。 また、平成26年12月より参加している調査研究プロジェクト「2015年社会階層と社会移動調査研究会(略称:2015年SSM調査研究会)」において研究報告を行い、研究会メンバーとの議論を通して、次年度以降に実施する計量分析についての指針を得ることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内外の「大学中退」に関連する文献を幅広い学問領域にわたって蒐集し、研究動向や中心的な論点を把握することができた。さらに、統計セミナーに参加することにより、統計ソフトウェアの操作法や先端的な統計手法を効率的に習得することができた。このような進捗状況から、交付申請書に記載した「研究目的」に照らし合わせると、本研究は、全体として「おおむね順調に進展している」と判断できる。また、文献レビューについては、平成29年度以降も継続していく。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究2年目である平成29年度は、当初の研究計画にしたがい、探索的な計量分析を実施する。分析には、現在、調査研究プロジェクトに参加している「2015年SSM調査」の個票データを用いる予定である。さらに、下半期からは、大学中退者を対象としたインタビュー調査を開始する。なお、調査対象者は、できる限り年齢層や居住地域が偏在しないように選定する。
|
Causes of Carryover |
今年度は、配分された研究資金を効率的に活用することができたため、結果として、次年度への繰り越しが発生した。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究計画では、平成29年度の下半期から、大学中退者を対象としたインタビュー調査を開始する予定である。さらに、学会報告も予定しており、これらの出張旅費として執行する。
|