2019 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on the Selection and Promotion Structure of Bureaucrats in Modern Japan
Project/Area Number |
16K13559
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
武石 典史 電気通信大学, 情報理工学域, 教授 (00613655)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 教育社会史 / 教育史 |
Outline of Annual Research Achievements |
ポスト配分構造・専門性・セクショナリズムの観点から海軍内における集団間対立の分析を試みた。海軍内では「艦隊派(軍令部)」と「条約派(海軍省)」とに分化するが、この両集団を学歴、留学先、昇進パターンから分析し、「官僚制としての海軍」の動向を考察した。 また、David Evansの論文「The Satsuma Faction and Professionalism in the Japanese Naval Officer Corps of the Meiji Period. 1868-1912」、Ian Gowの著作『Military Intervention in Pre-War Japanese Politics: Admiral Kato Kanji and the Washington System』、J. Charles Schenckingの著書『Making Waves: Politics, Propaganda, and the Emergence of the Imperial Japanese Navy,1868-1922』をはじめとする、日本海軍の人的側面に焦点を当てた海外の研究蓄積を綿密に整理した。 さらには、『官報』で公表された海軍兵学校卒業席次を、国立国会図書館や東京都立図書館に所蔵されている『現役海軍士官名簿』、『海軍高等武官名簿』とで照合し、かつ諸資料をすり合わせながら、1890年代から1930年代半ばにかけて海軍兵学校を卒業した将校を個票化した。 そのうえで、海軍兵学校の卒業席次および海軍大学校卒業の経歴が、その後のポスト配分や昇進にどう影響したのか、さらには海軍部内における下克上やセクショナリズムの要因になりえたのかについて検討した。成績・経歴・人事を横断した分析によって、海軍における選抜・配分構造が浮き彫りとなった。
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Research Products
(2 results)