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2016 Fiscal Year Research-status Report

「人種」「民族」の概念をめぐる文化人類学と教育学をつなぐ学際的研究

Research Project

Project/Area Number 16K13587
Research InstitutionTeikyo University

Principal Investigator

中山 京子  帝京大学, 教育学部, 教授 (50411103)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords人種 / 民族 / 参与観察 / 作られる伝統 / 授業づくり
Outline of Annual Research Achievements

本研究1年目の主たる目的は、理論研究において文献リストを作成するとともに、基礎データーを集め、理論構築の作業を開始することである。そのための下記の作業を行った。
(1)理論研究:文化人類学領域および教育学領域の双方から、「人種」「民族」に関する文献を収集し、理論構築のための整理を開始した。教科書における記述については一部収集をした。新学習指導要領(案)の開示によって教科書記述に変化が現れることから来年度以降に作業を継続する。
(2)国内調査:学校教育現場における「人種」「民族」に関する授業の実態について情報を集めるとともに、関心を持つ教師に声をかけネットワーキングの構築を図った。人種民族という用語だけでなく「肌の色」という用語を用いることで、多文化的な状況を抱える学校現場では受け入れられやすいことが明らかになった。(3)海外調査:多民族社会であり、かつ植民地支配の歴史をもつグアムにおけるエスニックアイデンティティ育成活動の参与観察を行った。特に5月22日から6月4日にグアムで開催された第12回太平洋芸術祭は、「人種」「民族」のあり方が急激に変貌している太平洋の島々が集い伝統的民族文化を披露する場であり、それらの表象の在り方と教育を観察し、ヒトの在り方の変容とアイデンティティ育成や「創られる伝統」のプロセスとある一定の完成形が表現される姿を追った。
(4)教材開発研究:「人種」「民族」をテーマとした教材開発にむけての活用可能資料の整理を行った。
(5)実践研究と協議:(2)によって構築した「人種」「民族」をテーマとした授業づくりに興味をもつ研究協力者である教師と情報交換を行い、今後の可能性の検討、試行的授業の具体的な授業づくりやワークシートの検討、教材の選定に関する検討を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

(1)理論研究:「人種」「民族」に関する文献を収集し、理論構築のための整理を開始できている。教科書における記述については一部収集が進んだ。新学習指導要領の開示によって教科書記述に変化が現れることから来年度以降に作業を継続する。
(2)国内調査:学校教育現場における「人種」「民族」に関する授業の実態について情報が少ないことがわかった。関心を持つ教師のネットワーキングを進めることができた。人種民族という用語だけでなく「肌の色」という用語を用いることで、多文化的な状況を抱える学校現場では受け入れられやすいことがわかり、研究協力者を増やすことができた。
(3)海外調査:予定通りにグアムで開催された第12回太平洋芸術祭に調査に出かけ、「創られる伝統」の一定の姿をみることができ、「民族」の枠組みを維持する具体的な姿を捉えることができた。
(4)教材開発研究:「人種」「民族」をテーマとした教材開発にむけての活用可能資料の整理を進めることができた。
(5)実践研究と協議:研究協力者である教師と情報交換を行い、今後の可能性の検討、試行的授業の具体的な授業づくりやワークシートの検討、教材の選定に関する検討を行うことができた。

Strategy for Future Research Activity

研究計画通りを予定している。理論研究では、文献リストの作成を進めるとともに各文献のレビューをする。教材開発研究では、具体的な構想をたてて議論をする。中間報告として、研究会は学会大会などで積極的に報告し、広く意見を求める。
研究の推進方策として、海外調査においては、研究協力者の協力を効果的に活用していく。まず8月に検討しているグアム・マリアナ連邦の調査では、日本での学校教育での経験をもち、チャモロ語を理解する協力者に調査補助を依頼し、調査記録の蓄積や教育場面での観察に協力をしてもらう。
また、9月に予定されているアメリカのサンディエゴでのPacific Islander Festival PIFAに参加し、太平洋諸島出身者が本土でどのように自らの人種や民族、アイデンティティを捉えているのかを調査する。その際、ディアスポラ化した先住民族チャモロに焦点を当てるために、教師であり文化活動家である人物に研究協力を依頼し、教育的観点から知見を得るようにする。
教材開発研究については、「人種」「民族」をテーマとした授業づくりにむけて、調査から得た資料・データーの中から教材として積極的に活用したいもの、活用可能性があるものを整理し、研究協力者への提示を積極的に行う。

Causes of Carryover

夏に予定していた海外調査を、調査先の予定などが合いにくく効率が上がらないと判断したために延期したため、次年度使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

2年次に夏の調査を行う。研究協力者に同行を依頼し、調査の効率をあげることを検討している。研究協力者の旅費に充当する計画をたてている。

  • Research Products

    (5 results)

All 2017 2016 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Int'l Joint Research] Pa'a Taotao Tano(United States, Guam)

    • Country Name
      U.S.A.
    • Counterpart Institution
      Pa'a Taotao Tano
  • [Journal Article] 2016年グアム・太平洋芸術祭にみる教育とアイデンティティの育成-チャモロアイデンティティの覚醒とチャモロダンス-2017

    • Author(s)
      中山京子
    • Journal Title

      帝京大学教育学部紀要

      Volume: 5 Pages: 109-119

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 戦争の記憶と対峙する若い教師の葛藤-グアム先住民族チャモロの戦争の記憶と向き合う-2016

    • Author(s)
      中山京子・相澤杏子
    • Organizer
      第17回韓国国際理解教育学会
    • Place of Presentation
      延世大学
    • Year and Date
      2016-11-12
  • [Presentation] 教員養成系大学で育成すべき資質・能力と国際理解教育―グアム先住民族チャモロとつながる活動を事例に-2016

    • Author(s)
      中山京子
    • Organizer
      日本国際理解教育学会第26回研究大会
    • Place of Presentation
      上越教育大学
    • Year and Date
      2016-06-19
  • [Presentation] グアムと日本をつなぐ教育実践―ポストコロニアルな視点にたった小学校における先住民学習の実践―2016

    • Author(s)
      中山京子・居城勝彦・東優也
    • Organizer
      日本国際理解教育学会第26回研究大会
    • Place of Presentation
      上越教育大学
    • Year and Date
      2016-06-19

URL: 

Published: 2018-01-16   Modified: 2022-02-16  

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