2017 Fiscal Year Annual Research Report
Real-time observation of radiative cooling of isolated molecular ions in RICE
Project/Area Number |
16K13859
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
中野 祐司 立教大学, 理学部, 准教授 (20586036)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | イオン蓄積リング / 前期解離分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き,理化学研究所の極低温型イオン蓄積リングRIKEN Cryogenic Electrostatic ring (RICE)内に,電子サイクロトロン共鳴(ECR)イオン源で生成したN2O+イオンを蓄積し,峡線幅色素レーザーによる回転分光を実施した。回転分光スペクトルは,N2O+分子のA2Σ+←X2Π2/1 (000)-(200)遷移にともなう前期解離フラグメントをレーザー波長の関数として計測することで観測した。 真空中に孤立した分子の回転状態がどのように緩和するかをリアルタイムに観測するため,レーザー照射のタイミングを入射直後(250マイクロ秒)から200秒程度まで変化させ,回転スペクトルの形状を比較した。また回転スペクトルのシミュレーションソフトウェアpgophorを用い,分子の内部温度を見積もることを試みた。 イオンを長時間リング内に閉じ込めた測定を行う際には,測定時間が長くなるだけでなく,リング内のイオン数も減少するためにS/N比が格段に悪化する。これを軽減するため,色素励起用のNd:YAGレーザー(532 nm)を従来のフラッシュランプ式10 Hz繰り返しから,ダイオード励起式100 Hz繰り返しへとアップグレードした。これにより計測レートを10倍に向上することに成功し,長時間蓄積データを安定的に取得できるようになった。 以上のように,孤立分子の振動回転状態分布をレーザー分光により刻々と追跡して観測するという目的を達成し,ミリ秒から分オーダーの超低速時間分解分光という手法を実現することができた。結果の解釈についてはより統計精度の向上および長時間蓄積データの取得が必要となるが,このための手法改良についても期間内に完了している。これらの研究成果については国際会議招待講演等で発表したほか,プロシーディングス1報が投稿済みである。
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Research Products
(15 results)
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[Presentation] 超伝導カロリメータを用いた低温下の星間分子計測実験(1)2018
Author(s)
山田真也, 岡田信二, 東俊行, 久間晋, 中野俊男, D.A. Bennett, W.B. Doriese, J.W.Fowler, J. Hays-Wehle, G. Hilton, G.C. O'Neil, C.D. Reintsema, D.R. Schmidt, D.S. Swetz, J.N. Ullom, 橋本直, 早川亮大, 一戸悠人, 石崎欣尚, 中野祐司, 竜野秀行, 野田博文, 上田周太朗
Organizer
日本天文学会2018年春季年会
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[Presentation] 多素子超伝導遷移端マイクロカロリメータの中性分子質量分析応用2017
Author(s)
岡田 信二, 東 俊行, D.A. Bennett, W.B. Doriese, J.W. Fowler, 橋本 直, 早川 亮大, J. Hays-Wehle, G. Hilton, 一戸 悠人, 石崎 欣尚, 久間 晋, 中野 俊男, 中野 祐司, 野田 博文, G.C. O’Neil, C.D. Reintsema, D.R. Schmidt, D.S. Swetz, 竜野 秀行, 上田 周太朗, J.N. Ullom, 山田 真也
Organizer
原子衝突学会第42回年会
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[Presentation] 分子検出に向けた多素子TESマイクロカロリメータの性能評価2017
Author(s)
岡田信二, 東俊行, D.A. Bennett, W.B. Doriese, J.W. Fowler, 橋本直, 早川亮大, J. Hays-Wehle, G. Hilton, 一戸悠人, 石崎欣尚, 久間晋, 中野俊男, 中野祐司, 野田博文, G.C. O’Neil, C.D. Reintsema, D.R. Schmidt, D.S. Swetz, 竜野秀行, 上田周太朗, J.N. Ullom, 山田真也
Organizer
日本物理学会2017年秋季大会
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