2016 Fiscal Year Research-status Report
新動力技術『縦渦リニアドライブ』による円柱翼風車の実用化に向けた基本特性の解明
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16K14154
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
高橋 勉 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (20216732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉武 裕美子 長岡技術科学大学, 工学研究科, 助教 (80453794)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 縦渦 / 風車 / 揚力 |
Outline of Annual Research Achievements |
円柱を動翼としてその後流域にリング状の平板を設定することで,円柱と平板の間に縦渦が定常的に形成されて円柱に定常揚力が発生する.本申請者らが開発したこの新動力原理をを回転力として利用した新型の風車「縦渦リニアドライブ円柱翼風車」について実用化に向けた基本特性の解明を目的とし,実験および解析を行った.実験では,円柱直径やリング幅などの形状因子がパワー特性に及ぼす影響を調べた.円柱翼風車は風速に対して回転数が直線的に増加することがわかり,実験装置の限界である風速30m/sまでこの関係が維持されることを確認した.円柱翼を2枚から12枚まで多翼化したところ,翼枚数に比例してトルクが増加するが,回転数はほぼ一定値を保つことがわかった.多翼化は性能向上に有効であるが,翼間距離が所定の間隔より狭くなると性能向上が鈍化することがわかった.円柱直径が増加すると揚力が増加した.リング状平板については円柱直径に対して最適な幅が存在し,円柱翼とリング状平板の隙間についても最適な隙間が存在した.それぞれ円柱直径により正規化した最適値を得ることができた. また,数値解析により円柱とリングの交差部付近に縦渦が形成されることを確認し,これにより誘起される円柱前報からリング状平板との隙間を通り縦渦に達する強い吸い込み流が形成され,円柱の駆動力となることが明らかとなった.計算により揚力が有効に作用する円柱の流れ方向の領域が明確となり.これ以外の部分は回転に対して空気抵抗となることもわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
円柱翼やリング状平板の形状因子が風車の動力特性に及ぼす影響について,順調に実験が進んでいる.予定を超える知見が得られ,さらに複雑な実験を実施することができた.これらの影響度を解析するための次元解析については条件の複雑さからデータのさらなる蓄積を要することがわかった.実験を追加しつつ,影響因子の特定を進めているところである.予定になかった内容として数値解析を行った.数値解析により本風車の動作原理が明確となり,三次元的に把握しづらい流れ場をアニメーションにより表現することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
計画に従い実験により形状因子の影響を求め,解析により定量的に評価することを目指す.加えて数値解析を行い,流れ場の様子や最適形状についても検討する.成果については国際会議,国内の学会発表を通じて講評する.
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Research Products
(4 results)