2018 Fiscal Year Annual Research Report
Control of liquid crystal orientation by ultrasound and its application to high-speed micro optical devices
Project/Area Number |
16K14204
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
小山 大介 同志社大学, 理工学部, 教授 (50401518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 健太郎 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (20242315)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 超音波 / 液晶 / レンズ / 光デバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では超音波が液晶分子に与える影響およびそれを利用した液晶配向技術について検討した.ネマチック液晶と超音波圧電振動子を組み合わせた超音波液晶デバイスを作製し,超音波が液晶配向に与える影響を実験的に検討した.超音波振動によって発生する音波の放射力(静圧)によって液晶分子の配向は静的に変化することが確認された.超音波振動分布と液晶配向分布には相関関係が存在することから,液晶デバイスへの入力信号の各パラメータ(振幅,周波数,位相)によって液晶配向変化を時間的・空間的に制御できることが明かとなった. 超音波による液晶分子配向制御を利用した光デバイスの一例として可変焦点レンズを開発した.本研究で開発した超音波式液晶レンズでは,アクチュエータなどの機械的可動部が不要であり,ガラス基板,液晶,超音波圧電振動子のみで構成される簡素な構造であるため,大幅な薄型(約2 mm)に成功した.超音波駆動時におけるレンズ内液晶分子の配向状態を評価するための光計測手法を新たに開発した.その結果,レンズの液晶層内において液晶分子は,超音波振動の大きい部分(定在波の腹の部分)から小さい部分(節の部分)に向かって傾き,同心円状に分布することが明らかとなった.レンズ内の液晶分子配向の厚み方向に対する傾斜角度は,レンズへの入力信号振幅値によって変化することから,電圧によってレンズの焦点距離を制御することが可能であり,機械的可動部を持たない可変焦点レンズとして動作させることに成功した.最終年度は特に,液晶の物性(粘性,複屈折,誘電率異方性)がレンズの光学特性および動作特性に与える影響について検討した.その結果,複屈折性が小さい液晶材料の場合でも,誘電率異方性が小さい場合は大きなレンズ効果が得られることが確認された.
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Research Products
(10 results)