2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K14540
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
谷口 良一 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60155215)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ベータ崩壊 / 短寿命化 |
Outline of Annual Research Achievements |
半減期1千億年という超長寿命ベータ核種であるLa-138の放射線照射による短寿命化を試みている。現在までの研究経過は以下のとおりである。 ・金属Laのバックグランド放射線の測定: Laの照射前のガンマ線スペクトルを詳しく測定した。その結果、自然放射線として通常みられるウラン系列やトリウム系列よりも、2桁程度弱いはずのアクチニウム系列が上記の2系列よりも2桁程度多いという特異なスペクトルとなっているという結果が得られた。これはこの系列の親核種であるU-235が異常に多いという可能性もあり、原因を調査した。現時点では、Laの精製過程でアクチニウムが濃縮されたと判断している。この結果は平成29年7月の第54回アイソトープ協会放射線研究会で発表する。 「La中に含まれるアクチニウム系列核種の分析」、大阪府立大学放射線研究センター、白井志樹、宮丸広幸、伊藤憲男、岡本賢一、谷口良一 ・金属LaのCo-60照射を行った: 70kGy/hという高線量率照射を行ったところ、残留放射線が観測された。半減期は分オーダーである。比較的長寿命のメタステイブルが存在することが推測された。本研究は、La原子核を励起させてベータ崩壊の短寿命化を試みるというものであるが、励起寿命が短いことが問題とされてきた。今回、長寿命の核励起が見られたことは、本研究にとって有望な結果といえる。ただし統計が不十分であるため、核レベルのエネルギー、寿命等の詳細な値は得られていない。今後多数回の照射を行い、スペクトルを重ね合わせ、詳細を解析したい。また、この照射による短寿命化の程度に関しては現在解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、La-138に放射線を照射して、基底順位よりも高い核レベルに励起することで、ベータ崩壊の短寿命化を狙ったものである。La-138の短寿命化として注目していた第一励起順位の寿命は約100nsecである。今回それよりも8桁以上寿命が長い順位が存在する可能性が示された。このことは想定外の事象であるが、これによって短寿命化に関しては、さらに有望となる可能性が高い。
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Strategy for Future Research Activity |
LaのCo-60照射は今年度も継続する。寿命の長い励起順位に関するより詳しい情報を得るとともに、短寿命化の程度を精密に評価したい。これに加えて今年度は電子線形加速器によってさらにエネルギーの高い、線量率の高い照射を行い、短寿命化の程度を評価したい。
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Causes of Carryover |
年度末近くにLa試料を購入したところ大量購入時のディスカウントでこの金額の余剰が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度もLa試料を購入する予定であり、この際に使用する。
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