2016 Fiscal Year Research-status Report
CRISPR干渉法を用いたY染色体多コピー遺伝子ノックダウンマウスの開発
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16K14596
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
盛 真友 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 助教 (90466772)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Y染色体 / CRISPR干渉法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はCRISPR干渉法を用いたY染色体多コピー遺伝子ノックダウンマウスの開発に向けて、人工miRNAを用いたノックダウンマウスの開発、及びCRISPRi法を用いたノックダウンマウスの開発を行ない、生殖細胞特異的なスプライシング機構の解明を目指す。 1. Rbmy を標的とした生殖細胞特異的CRISPRi 法によるノックダウンマウスの作出 CRISPRiを用いたノックダウン法開発のために、6種類のRbmy遺伝子群のプロモーター領域を解析し60 bpの共通配列を見い出している。共通配列内に設計したsgRNA配列を用いて、dCAS9-KRABとsgRNAを同時に発現可能なCRISPRiベクターを順次構築している。現在CRISPRiベクターのノックダウン効率を細胞レベルで検証し、有効な配列の検討を行っている。 2. Rbmy を標的とした生殖細胞特異的amiRNA 発現ノックダウンマウスの作出 我々はこれまでに70%以上のノックダウン効率を示す人工miRNAを取得を取得していたが、さらに高効率でRbmy遺伝子のノックダウンを可能とする人工miRNAの3種類の配列の同定に成功した。これら3つの配列をタンデムに連結し同時に発現するベクターを構築することによって、90%以上の高効率でRbmy遺伝子のノックダウンを可能とした。この連結配列を用いてユビキチンプロモーター、またはCAGプロモーターで発現制御される2種類のトランスジェニック系統作成のためのベクターを構築した。これらのベクターはともに細胞レベルで90%以上のノックダウン効率を維持していた。現在この2種類のベクターよりインジェクション用のDNA断片を精製し、トランスジェニック系統の確立を目指している。現在トランスジェニック系統の樹立を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トランスジェニックマウス作出用のノックダウンベクターを、当初2種類作成する予定で進めていたが、予期せずより高効率にノックダウン可能な構成を見い出したため、さらに3種類目のベクターを構築することとした。そのため一部の計画に多少の遅れが生じたものの本計画の精度はより高くなっている。マウスのXY bodyにおける精巣のFISH解析は次年度に予定していたが野生型解析が本年度に概ね終了している。
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Strategy for Future Research Activity |
人工miRNAによるノックダウンマウスの系統樹立を継続して行う。またCRISPRiベクターに用いるsgRNAの有効配列の検討を継続して行う。 また次世代シーケンサー解析データのアイソフォーム評価法を28年度より試行しており、より精度の高い評価方法の確立を目指す予定である。
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