2016 Fiscal Year Research-status Report
細胞内2進カウンターの開発と遺伝子発現履歴解析への応用
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16K14603
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小野寺 康仁 北海道大学, 医学研究科, 講師 (90435561)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 遺伝子発現 / 遺伝子構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、システムの根幹となる、目的遺伝子の発現に伴って制御される「発現検出ユニット」の調整を行った。目的遺伝子の発現変化(プロモーター活性の変化)に伴い、ONまたはOFFのいずれかの状態のみをとり、可能な限り「中間的」な状態にならないよう、様々な効率のマイクロRNAやその標的配列などを適切に組み合わせ、相互排他的な制御を行うユニットを完成することができた。その有用性の実証を兼ねて、がん幹細胞特異的に活性を持つと報告されているSORE6プロモーター(Tang et al, Stem Cell Reports 4:155-69, 2015)のON/OFFに伴いGFP、RFPがそれぞれ発現する遺伝子構築を作製した。これを乳癌細胞に安定導入すると、がん幹細胞」の性質を持つ細胞群においてGFPが発現する一方で、そうでない細胞群では自動的にRFPが発現することを、実際に確認することができた。 並行して、integraseを用いたフリップフロップ機構の作製にも取り組んだ。高効率で組換え反応を起こすことが知られている幾つかのintegraseのcDNAを人口遺伝子合成等によって調製し、その発現に伴って標的配列に挟まれた部位が反転することを確認した。また、システム全体に用いる蛍光タンパク質の候補について、蛍光強度や安定性、細胞内における凝集体の形成など、使用に際して影響すると考えられる様々な性質を比較し、適切と思われるものを幾つか選定した。さらに、桁上げ機構の作製にも取り組み、転写制御因子のcDNAやそれにより制御されるプロモーターなど、大部分の構築を完了することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、初年度の段階で、システムの根幹となる発現検出ユニットの精度向上と、それに連動して作動するフリップフロップ機構の作製を完了することができたため。また、桁上げ機構については、使用する各要素の構築が完了した段階であるが、次年度以降にそれらを繋ぎ合わせることで動作確認を直ちに行うことができる状態であるため、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度も当初の予定通り、発現検出ユニットと桁上げ機構を細胞に導入して、応答性などの改善を行いながら、システム全体の完成を目指す。前述のように、初年度は動作確認の一環として遺伝子発現検出ユニットとSORE6プロモーターを組み合わせた構築を作製したが、それ自体が非常に有用なものであると考えられるため、論文として纏め報告することを検討している。
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