2017 Fiscal Year Research-status Report
細胞内2進カウンターの開発と遺伝子発現履歴解析への応用
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16K14603
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小野寺 康仁 北海道大学, 医学研究院, 講師 (90435561)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 遺伝子発現 / 遺伝子構築 / ゲノム編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、遺伝子構築の妥当性の検討においてより精密な結果を得るために、ゲノム編集を用いた手法の確立を行った。当初は必須であると想定していなかった項目であり、そのため研究期間を変更して行うこととしたが、それについては様式F-14にて報告済みである。 本研究で作成した遺伝子構築は、ゲノム中に1つずつ存在することが望ましいが、既存のゲノム編集の手法では、目的部位の編集が両アリルで起こったものと片アリルで起こったものの区別することができず、単一細胞のクローンを複数個回収して個別にゲノムの状態を解析することで適切なものを選定する必要がある。本研究ではこれを複数回(各ユニットの個数と同じ回数)行う必要があるため、複数かつ片アリルのゲノム編集を効率よく行うための新たな手法が望まれる。そのための新たなツールとして、最高で6箇所(3箇所×両アリル)においてそれぞれ異なる遺伝子配列の挿入を行うことを可能とする新規マーカー遺伝子の開発を行った。これまでのところ、4箇所までの同時編集には対応できる見込みであるので、これを用いて本来の目的である遺伝子発現記録構築の妥当性についての検討を開始する。また、これををさらに発展させて6箇所同時編集への対応が可能である新規ゲノム編集ツールとして完成させる予定である。なお、関連するゲノム編集ツールを用いた共同研究に 関しては当該年度中の発表を完了している(「研究発表」参照)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上述の通り、本来の目的を完遂するための大きな障壁となる「ゲノム編集」を効率よく行うことのできるツールが必要不可欠となり、そのために多くの時間を要した。必要最小限のものは完成しており、本来の目的である発現変化履歴の記録に関する検討を開始できる段階にある。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の新規ゲノム編集(関連)手法自体が、遺伝子発現制御を必要とする研究全般において非常に有用なものであることから、発現変化履歴の記録に関する検討の開始と並行して、当該ツールのさらなる発展についても検討し、学術論文での発表を目指す。
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Causes of Carryover |
前述のように、当初、必須であると想定していなかった実験系を確立する必要が生じたために研究期間を延長し、それに応じて次年度に使用する分を確保した。
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Research Products
(1 results)