2016 Fiscal Year Research-status Report
体サイズの進化に伴って変化する性質と独立な性質:遺伝子改変線虫を用いて
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16K14803
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
河田 雅圭 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (90204734)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 体サイズ進化 / 線虫 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、日本の石垣島で、C. elegans の姉妹種であるC. sp. 34が発見され、この線虫は、オオバイヌビアの花序の中で発見され、体長がC. elegansの1.5から2.5倍もあり、他の様々な特徴が異なっている 。C. sp. 34はC. elegansと極めて系統的に近いことから、この種がもつ生態的な特徴の進化的機構をC. elegansでの知見や技術を利用して解明することが可能になる。初年度は、沖縄において、オオバイヌビアを採集し、そこからC. sp.34を採集することに成功した。特に体サイズの違いに影響する遺伝子を特定するために、C. elegansとC. sp. 34の成長を詳しく調べた。まず、C. elegansは雌雄同体であり、C. sp. 34は雌雄異体であるため、C. eleganceの雌変異体(fem-3)とC. sp.34の雌個体の成長を比較した。親虫に6時間卵を産ませた後に取り除き、子どもの体長を12時間ごとに計測した。その結果、C. sp. 34はC. eleganceに比べ成長が遅いことがわかった。2種の成長を、成長ステージに重ね合わせると、C. elegansは48時間で100%がL4幼虫、60hで50%がyoung adult, 50%がadultになった。C. sp. 34は72時間で30-50%がL4幼虫、84時間で30%がL4幼虫、70%がYoung Adlutであった。2種の線虫の成長率はL4まではほぼ同じであった。最も成長率に差がでるのは、Young Adult期であった。そこで、L4期後半とYound Adult期で各種4個体ずづ計16個体のRNAを抽出し、次世代シークエンサーで配列を所得した。現在、RNA-seqによる発現量比較のデータを解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
体長の差に影響する成長時期が特定され、その時期のRNAを抽出し、RNA-seqのためのシークエンスが成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、RNA-seqの結果を踏まえ、体サイズに影響すると思われる遺伝子をRNAiなどで抑制し、体サイズに関わる遺伝子の同定とそれに伴って変化する遺伝子の同定を行う
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Causes of Carryover |
次年度使用額は806円と解析に掛かった費用の端数である
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
806円と次年度と合わせて遺伝子解析の費用として用いる
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