2016 Fiscal Year Research-status Report
コンクリートプレキャストパネルを活用した腐食鋼矢板水路の保全・再生工法の開発
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16K15004
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鈴木 哲也 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (30434103)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 鋼矢板水路構造 / 腐食劣化 / 補修工 / 鋼矢板-コンクリート複合構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
低平排水不良地域の農業用排水は,鋼矢板材を用いた水路形式が一般的である。鋼矢板材とは,金属製の土止め壁であり,重機による建設工事が困難な水田地域に代表される軟弱かつ過湿な湿地帯において多用されてきた。しかし,既存施設では建設後20年程度で金属腐食が顕在化し,孔食に伴う耐久性能の低下が顕在化する問題が近年明らかになっている。 本研究申請では,既存施設の実態を考慮したコンクリートパネルを独自開発し,鋼矢板‐コンクリート複合材の構築に基づく腐食鋼矢板水路の保全と再生を目的とした補修工法の開発を試みる。研究期間は平成28年度から29年度の2カ年間であり,試験施工結果を踏まえた「新たな水路再生工法」を提案する。 平成28年度は,実環境において開発工法である鋼矢板‐コンクリート複合構造の構築を試みた。試験施工は新潟県新潟市亀田郷地区山田排水路において試験施工を実施し,開発工法の有用性と耐久性を実証的に明らかにした。本研究課題に関する関連業績は論文3件および口頭発表5件を公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は,試験施工による実証的検討を実施し,開発中の実構造物での工法適用と計測・評価を試みた。実証的検討の結果,腐食劣化が進行した既存施設において,開発工法の良好な適用性と十分な精度による計測・評価が可能であることが明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
成29年度の研究展開は,平成28年度に実施した試験施工区間を対象に既設鋼矢板材の腐食進行モニタリングを実施し,開発工法の腐食抑制効果を検証する.腐食進行モニタリングは自然電位法を用いる。
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Causes of Carryover |
本研究で使用する腐食モニター用計測装置・Giatec社XCell/スマート鉄筋腐食診断器の購入が3月に実施し,支払いが4月にずれ込んだため次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究進捗は申請通り進んでいるためすでに購入した上記機器は現地計測に用いている。 平成29年度は更に研究を加速したいと希望している。
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Research Products
(9 results)