2017 Fiscal Year Annual Research Report
Is it possible to evaluate the carcass trait of fattened Japanese black cattle with exosomal microRNA markers?
Project/Area Number |
16K15027
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
松本 和也 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (20298938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 宏平 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (70500578)
松橋 珠子 近畿大学, 先端技術総合研究所, 講師 (60504355)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 黒毛和種去勢牛 / miRNA / バイオマーカー / 枝肉形質 / 生体評価 / リキッドバイオプシー |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に実施したmiRNAマイクロアレイ (Affymetrix社)による網羅的スクリーニング解析の再評価の結果、新たに40種類の血清エクソソームmiRNAをバイオマーカー候補としてリストアップした。このうち24種類のmiRNAについて新たな肥育牛集団で効果検証を行った結果、BMSナンバー上位集団と下位集団との間で特定時期の血清中含有量に有意な差があるmiRNAを3種類特定した。このうち2種類のmiRNAはロース芯面積でも関連が確認された。次に国内3地域(3県)で肥育された牛の肥育時血清を用い、特定された3種類のmiRNAについて肥育期間を通した効果の検証を行った。その結果、肥育前期の血清中含量がと畜時の枝肉成績(BMSナンバー)と関連する傾向を示したmiRNAが1種類存在した。また、2種類のmiRNAの血清中含有量は特定の肥育時期において明確な地域差を示し、1種類のmiRNAは肥育中期以降に比べて肥育前期に血清中含有量が高値を示した。次に個体差を考慮して新たなバイオマーカー候補miRNAを同定するため、肥育牛集団から枝肉成績上位下位それぞれ3検体を抽出しmiRNAマイクロアレイ解析を実施した。その結果、本研究で枝肉成績との関連が示された2種類のmiRNAが再度検出され、一連の解析の信頼性の高さが示された。加えてバイオマーカー候補として新たに18種類のmiRNAが同定された。以上のように、肥育期間中のと畜時枝肉成績の予測や、肥育牛の地域差の検出に有効な可能性があるmiRNAが複数選出された。今後は新たな診断技術として現場へ普及するために、飼料や病歴などの環境要因との関係を調査し実証試験を進める必要がある。将来的には、複数のバイオマーカーを組み合わせて信頼性と安定性を確保し、血液や分泌液を用いた侵襲性の低い新たな診断技術(リキッドバイオプシー)の確立につながると期待される。
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Research Products
(9 results)