2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K15298
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
亀岡 淳一 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (30261621)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 質問力 / 評価表 / 信頼性 |
Outline of Annual Research Achievements |
質問力育成のために、「質問評価表の作成」「学内の発表会における質問振り返り表の提出とフィードバック」「学会における質問の見学・評価・実践」という3段階による教育手法の開発を計画した。今回、第1段階の質問評価表の信頼性・妥当性を検討した。 「重要性」「独自性(意外性)」「レトリック」「ミクロかマクロか(以上、5段階評価)」「benefitの及ぶ範囲(『質問者にとどまる』『聴衆に及ぶ』『発表者にまで及ぶ』の3段階評価)」の5項目による質問評価表の信頼性・妥当性を2つの学会で検討した。学会参加予定の教員5~6名(主に他大学)に事前に主旨を説明し評価を依頼した。評価者は、学会会場で同一演題の同一質問に対して評価表を用いて別々に評価し、回収して級内相関係数を解析した。また、各評価者に、各項目に対する内容妥当性の評価を依頼した(5段階評価)。 第1回検討を、日本内科学会東北地方会(2016年9月)「消化器セッション」で実施した(評価者5名)。9演題14質問の級内相関係数の平均測定値は、上記5項目それぞれ、0.276, 0.683, 0.022, 0.823, 0.153であった。妥当性の平均点は、それぞれ、4.5, 3.7, 4.3, 4.3, 4.3であった。基準をより明確にして、第2回検討を、日本血液学会総会(2016年10月)「再生不良性貧血セッション」で実施した(評価者6名)。7演題16質問の級内相関係数の平均測定値は、それぞれ、0.690, 0.550, 0.142, 0.852, 0.632であった。妥当性の平均点は、それぞれ、4.4, 3.6, 3.5, 3.6, 4.6であった。 「重要性」「独自性(意外性)」「ミクロかマクロか」「benefitの及ぶ範囲」の4項目で十分な信頼性が得られた。「独自性(意外性)」の内容妥当性は議論の余地が残された。「レトリック」は信頼性が低く、評価が困難と判断された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度計画の①コアメンバー委員会の設置、②質問の評価表の作成、③評価表の信頼性・妥当性の検討、④質問振り返り表の作成、⑤学内教育の実践のうち、①②③は上記報告のように完了し、④⑤も既に着手し実績が得られつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
[1」学内の教育の実践 ①事前講義:授業で「より良い質問をするために」と題してミニ講義を行う。②質問の実践:グループ討論・発表会を含む授業で、発表会の前に学生に質問振り返り表を配布し、全員に記入して提出させ、回収し、分析する。③事後ワークショップ:学生同士で、自分たちの質問振り返り表をもとに「よい質問とは」のテーマでdiscussionする。教員は、②の結果をもとにフィードバックする。
[2」学会における教育の実践 指導教員の参加する学会に希望学生を参加させる。指導教員と学生が、(上記報告書の信頼性・妥当性検討で行ったように)学会会場で同一演題の同一質問に対して質問評価表・質問振り返り表を記入し、結果を比較してフィードバックを行い、「よい質問とは」のテーマでdiscussionする。可能であれば、事後ワークショップも行い、他の学生にもフィードバックする。
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Causes of Carryover |
平成28年度研究計画のうち、⑤教育の実践の「事後ワークショップ」を実施できなかったため、次年度に行う計画とした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
教育の実践の「事後ワークショップ」における物品費等で使用する計画である。
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