2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K15298
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
亀岡 淳一 東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (30261621)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 質問力 |
Outline of Annual Research Achievements |
学会・研究会等の議論の場で日本人の質問が少ないことは、しばしば指摘されるが、質問力の体系的な教育の試みはほとんどなされていない。本研究では、質問力育成のために、「学内の発表会における質問振り返り表の活用」「質問評価表の作成による質問の質評価の試み」「質問振り返り表と質問評価表を用いた学会による実践」という3段階による教育手法の開発を計画した。 まず、東北大学で開始した「学内の発表会における質問振り返り表の活用」を、平成29年4月に異動となった東北医科薬科大学の医学部および薬学部でも実施し、有効性を確認した。 次に、「質問評価表」の検討を行った。前回、「重要性」「独自性(意外性)」「レトリック」「ミクロかマクロか(以上、5段階評価)」「benefitの及ぶ範囲(『質問者にとどまる』『聴衆に及ぶ』『発表者にまで及ぶ』の3段階評価)」の5項目による質問評価表の信頼性・妥当性を、2つの学会で検討したが、一部の項目で十分な信頼性・妥当性が得られなかった。そこで、今回、2017年12月の学会で、評価者数を10名に増やし、事前の説明会を綿密に行い、第3回目の信頼性・妥当性検討を実施した。結果は、10演題17質問の級内相関係数の平均測定値は、それぞれ、0.874 , 0.779 , 0.795 , 0.627 , 0.625で、初めて全項目において0.5以上の相関が得られた。また、内容妥当性の平均値は、上記5項目それぞれ、3.1, 4.6, 3.9, 4.0, 3.6であった。 以上より、質問評価表の信頼性・妥当性が得られ、今後これを用いた研究が可能と判断された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画のうち、「質問振り返り表の作成」「質問評価表の作成」「質問評価表の信頼性・妥当性の検討」は順調に完了し、「質問振り返り表と質問評価表を用いた学会による実践」も既に着手しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
<1>学内の教育の実践 学生へのフィードバックを行う場が昨年度までの授業ではなかなか得られなかったため、今年度から始まる「血液学」の授業の場で行う。
<2>学会における教育の実践 「質問振り返り表と質問評価表を用いた学会による実践」については、本学の倫理委員会の承認も得られ、数科の教員から承諾も得ており、いよいよ学生を募集して実施する段階である。
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Causes of Carryover |
当初、平成29年度に計画していた、第3段階の「質問振り返り表と質問評価表を用いた学会による実践」は、対象学生が高学年であればあるほど有効である。研究責任者は平成29年4月に東北大学から東北医科薬科大学に異動し、対象学生が変わった。東北医科薬科大学は、医学部が開設されたのが平成28年度で、平成29年度はまだ最高学年が2年生であったため、次年度に持ち越して、3年生になってから実施する方針に変更した。
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