2018 Fiscal Year Research-status Report
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16K15298
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
亀岡 淳一 東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (30261621)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 質問力 |
Outline of Annual Research Achievements |
質問力育成の意義として、次の2つが挙げられる。第一に、本人の自己研鑚力を高める効果が期待できる。質問力は自ら「問い」を立てる力であり、自律的に学ぶ能力である。大学時代に質問力を身に付ければ、卒業後のあらゆる知的活動において、他人のプレゼン(職場での議論のようなinformalなものから、学会発表のようなformalなものまで)に建設的な質問を行うことによって、新たな知を創造し、自己開発を促進しうる。第二に、社会的な観点から、科学の総体的な向上に寄与しうる可能性がある。最上のアカデミックな質問は、学会等での研究者の研究活動を活性化しうるものであり、長期的にみれば、日本の研究活動のレベルアップに結びつきうる。 このような目的を達成するために、我々は、「学内の発表会における教育の実践」「質問評価表の作成と信頼性・妥当性の検討」「学外の学会における教育の実践」という3段階による教育手法の開発を計画した。 前年度までに、2段階目までを終え、信頼性・妥当性を有する質問評価表が作成し得たため、これを用いた3段階目の「学外の学会における教育の実践(希望学生を指導教員と一緒に学会に参加させ、そこでなされた質問を評価し、それをもとに教育を実施)」を計画したが、研究代表者が2017年4月に東北大学から新設の東北医科薬科大学へ異動となり、2018年度は対象(最高学年)が3年生でまだ未熟なため、3年次での課題研究科目(学生が各研究室に所属して研究を実施)を終えた4年次での試みが望ましいと判断し、2019年度まで延長する方針となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の3段階の計画のうち、「学内の発表会における教育の実践」「質問評価表の作成と信頼性・妥当性の検討」は順調に完了し、第3段階の「学外の学会における教育の実践」も上記の理由で1年延期となったが、2019年度は準備が整っている。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通り、「学外の学会における質問力教育の実践」を推進する。倫理委員会の承認は得られており、全教員へのアナウンスメントおよび全学生(4年生)へのアナウンスメントは済んでおり、既に一部の希望学生への教育実施は開始されている。
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Causes of Carryover |
当初、2018年度に計画していた、第3段階の「学会における教育の実践」は、対象学生が高学年であればあるほど有効である。研究責任者は2017年4月に東北大学から新設の東北医科薬科大学に異動し、対象学生が変わった。東北医科薬科大学は、医学部が開設されたのが2016年度で、2018年度は最高学年がまだ3年生であったため、次年度に持ち越して、4年生になってから実施する方針に変更した。
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