2016 Fiscal Year Research-status Report
患者の受療行動と過剰受診・過剰投薬の実態およびその是正に関する探索的研究
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16K15299
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藤江 敬子 筑波大学, 医学医療系, 助教 (80623959)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 多剤処方 / 不適切処方 / ポリファーマシー / 高齢者 / 薬物療法 / 薬剤有害事象 / 医療費 / 国民皆保険 |
Outline of Annual Research Achievements |
下記3件の研究を計画し、開始または開始準備をした。 ①病院の電子カルテを用いた多剤処方の実態と不適切処方の有無の調査:二次救急病院の協力を得て研究計画を策定、倫理審査申請して承認された。電子カルテのアクセス権を取得し調査開始した。2015年の1年間に入院した高齢患者を対象に入院時持参薬、および患者背景情報のデータを抽出し、現在までに年齢の高い方から1000例分収集済み。薬剤数と薬剤種類を整理し、不適切処方をどのように抽出するかを検討中である。そのため、不適切処方の基準として何が妥当であるか決定すべく、既存のガイドラインやクライテリア、その他疾患特有の情報等を精査している。 ②調剤薬局の薬歴データを用いた多剤処方の実態と不適切処方の有無の調査:調剤薬局チェーンの協力を得て研究計画を策定、倫理審査申請して承認された。茨城県内の調剤薬局で2015年の1年間に取り扱った処方せんのうち、特定の期間(連続した40日間×3)における65歳以上の患者の処方情報約45,000件を入手した。①と同様に薬剤数と薬剤種類の整理を行い、不適切処方の抽出準備を行うとともに、付随情報(医療機関、診療科、薬価等)との関連についても検討中である。 ③調剤薬局への来院患者を対象とする受療行動に関するアンケート調査:受診理由、通院医療機関数、常用薬剤数と種類、受診にあたり重視・期待すること、症状が好転しない場合の行動等を、聞き取りまたはアンケートにより調査すべく、研究計画策定および質問紙を作成し、倫理審査申請を行った。調剤薬局チェーンに協力を依頼し、内諾書を受け取れた後に承認される見通し。実施に向けてアンケート内容の修正、および実施場所・実施日数・目標例数等を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
・倫理審査は順調であり、3件の研究ともに開始可能、またはその直前段階にある。 ・病院のデータ収集に時間がかかり、想定していた最低データ数にとどまっている。調剤薬局の薬歴データは入手できている。 ・病院と調剤薬局の薬剤データについて、まだ十分に整理できておらず、不適切処方の抽出までに至っていない。また、研究環境の変化があり、不適切処方の基準として公開されているガイドラインやクライテリアを用いることの妥当性を、再度検討する必要が生じている。 ・アンケート調査の準備はほぼ終わっているが、まだ実施していない。 ・以上の状況から、平成28年度に開始または開始準備をした3件の研究を継続することに、平成29年度のエフォートのかなりの割合を割く必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に開始済みの2件の多剤処方と不適切処方に関する研究を継続し、完了させて結果を得る。開始準備中のアンケート調査は、実施して質問紙を収集し、結果を集計・解析する。いずれも、学会または論文発表が可能となるよう準備する。 平成29年度に実施予定の市民を対象としたセミナーとアンケート調査について、セミナー資料と質問票を作成し、開始準備をする、。可能な限り年度内に実施する。同じく計画中の薬剤師を対象とする調査は、他の研究の進捗を見ながら平成30年度の実施を目指す。
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Causes of Carryover |
病院の電子カルテ調査は大学院生が担当することになり、調剤薬局の薬歴データは本社より電子的に提供されることになったため、調査のための交通費および人件費・謝金が想定を下回った。また、統計解析ソフトウェアは旧バージョンのアップグレードが可能であったため、新たに購入せずに済んだ。このため支出残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度は不適切処方判定の基準についての情報収集、および関連研究者との交流のため、学会・研究会等に積極的に参加したいと考えており、その旅費として上記残額を使用することを予定している。
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