2018 Fiscal Year Annual Research Report
Visualization of lipids by spectral imaging
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16K15332
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
財満 信宏 近畿大学, 農学部, 准教授 (40455572)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 分子イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
脂質は生体の主要な構成成分であり、生体を構成する細胞はそれぞれの機能を発現するために必要な脂質分子を選択的に蓄積する。疾患においては、組織の脂質分子の組成が変動する現象が観察されているが、これは組織を構成する細胞集団の組成変化や細胞自体の機能変化に伴う脂質変動が一因であると考えられる。脂質分子の選択的な可視化は、生体における機能変化の機序の理解や疾患発症機構の解明につながると考えられる。質量分析イメージングや特異的なプローブなどによって、脂質の選択的な可視化は可能になっているが、一般的な検査機関レベルで脂質を選択的に可視化できる手法は存在しない。 我々はこれまでにコレステロールエステルではなく、中性脂肪が蓄積するタイプの動脈硬化病巣を発見した。この病巣は新規疾患単位として、大阪大学の平野氏によって、中性脂肪蓄積心筋血管症(TGCV)と命名された。当初発見されたTGCVは、Adipose Triglyceride Lipase(ATGL)の変異によって発症することが明らかになったが、その後の解析により、ATGLの変異を有しない症例においてもTGCV様病態を呈する患者群がいることが明らかになった(突発性TGCV)。AMED研究班の調べでは、突発性TGCV患者は4-5万人いると推測されている。病理検査において、突発性TGCVを発見するためには、コレステロールエステルと中性脂肪を区別して可視化する必要があるが、現時点ではこれを可能にする簡易的な方法は存在しない。本研究は、これを確立することを目的とした基礎研究を行った。
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Research Products
(2 results)