2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of system for mastering and evaluating relaxation using smartphones
Project/Area Number |
16K15406
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉内 一浩 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (70313153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 義春 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (60251427)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | リラクセーション / 心拍変動 / EMA |
Outline of Annual Research Achievements |
ストレス関連疾患の治療法の一つにリラクセーション法がある。しかし、習得の補助および習熟度の評価が困難であった。そこで、本研究では、EMAを応用し、心拍変動との関連を検討することにより、習得のための補助と習熟度を評価することが可能なスマートフォンによるツールの開発を行うことを目的とする。2016年度は、スマートフォンを用いた脈波によるバイオフィードバックシステムの先行研究およびアプリの調査を行なったが、臨床応用へは1年間では困難であるという結論に達した。そこで、日常生活下においてリラクセーション法の前後における心拍変動による自律神経機能と自覚的な習熟度との関連を検証することにより、リラクセーション法習得のためのツールを開発することを目的とした。倫理委員会での承認を得た後、健常者8名(男性4名、平均年齢34.5歳)を対象として、リラクセーション法の指導後、心拍センサを持続的に装着し、自覚的習熟度や施行前後の気分をスマートフォン上の電子日誌に記録するよう依頼した。心拍センサで、RR間隔を連続記録し、リラクセーション施行前5分間、施行中の最後の5分間、施行後の5分間の平均心拍数、RR間隔の周波数解析による高周波成分(HF, 0.04-0.15Hz)の平均値、低周波成分(LF、0.15-0.40Hz)とHFの比(LF/HF)の平均値を算出した。施行後の「習熟度」と心拍数、HF、LF/HFおよびEMAによるリラクセーション直前・直後の不安、抑うつ気分、充実度との関連をマルチレベル解析で検討した。結果は、「習熟度」の得点が高いほど、リラクセーションの最後の5分間のLF/HFが有意に低く(p=0.036)、直後の充実度が有意に高い(p<0.001)という関連が認められた。従って、自覚的習熟度は、習得の程度を評価することが可能で、リラクセーション習得のための補助ツールとなることが示唆された。
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