2017 Fiscal Year Research-status Report
臨死期の患者が「今日亡くなる」「今日は大丈夫である」ことを予測する指標の開発
Project/Area Number |
16K15418
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
森 雅紀 聖隷クリストファー大学, 看護学研究科, 臨床講師 (10771868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 達也 聖隷クリストファー大学, 看護学研究科, 臨床教授 (70513000)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 多施設研究組織構築 / 患者登録完遂 / データ収集 |
Outline of Annual Research Achievements |
●具体的内容 死亡直前期に患者が「今日亡くなる」「今日は大丈夫である」ことの予測は非常に重要である。本研究の主な目的は、多施設コホート研究により、終末期患者が「今日亡くなる」「今日は大丈夫である」ことを十分な精度で予測する尺度を開発・検証することである。平成29年度は、日本国内の計22施設の研究者に参加協力の承認を得て、平成29年の一年間にわたり参加施設の緩和ケア病棟に入院した進行がん患者約1900名の登録を行い、目標症例数を満たす登録を完遂した。登録患者の入院時の背景・症状・治療、入院期間中の症状・治療・終末期についての話し合いの有無や内容・希死念慮の有無、Palliative performance scale≦20となってから2週間に及ぶまで毎日の死亡直前期兆候・症状・バイタルサイン・治療、そして死亡時の症状や治療などを記録した。現在登録後6か月間のフォローをしつつ、データを入力している。
●意義:多施設観察研究を立ち上げ、実際に患者登録を完遂できたことは意義深い。多施設での観察研究の実施、研究実施上の様々な課題の共有、参加施設間の密な連携を通した課題解決の過程を通して、質の高いデータ収集と登録の完遂が可能になったと考えられる。さらに、同時に取得した多くのデータに基づき、主研究のみならず主研究に関連する多数の付帯研究を行うことが可能になったことも、終末期ケアの向上に繋がる点で意義深いと思われる。
●重要性:多施設研究では、データの信頼性を確保することが非常に重要である。上記の過程を通じて、多施設の研究者と連携して調査項目に関する統一した見解を得て完遂できたことは、本研究の質の管理にとどまらず、本研究組織が有効に機能しうることを示せた点でも非常に重要と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は多施設観察研究の患者登録を開始し、一年間で目標症例数を満たす登録を得て完遂した。
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Strategy for Future Research Activity |
●平成30年度は、6月をもって登録患者のフォローを終了し、その後データ入力の完了、データ管理、データ固定を行う。また今後の解析・論文化までの方向性を多施設の分担研究者と検討するとともに、複雑な解析については生物統計家とも検討を行う。
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Causes of Carryover |
(理由) ステアリング会議や国内外の研究者との会議を、主にメール上やテレビ会議、日本緩和医療学会の会期中に開催したため、交通費の支出が不要であった。また、登録は予定通り進んだが、調査票の収集と確認作業に予想以上に時間がかかったため、大部分のデータ入力を年度内に終えることが困難だった。 (使用計画) 参加施設との会議旅費、データモニタリングやデータ入力にかかる費用などで研究費を使用する予定。
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Research Products
(4 results)