2016 Fiscal Year Research-status Report
生体高分子シミュレーションによる抗ウイルス薬耐性化仮想アッセイシステムの構築
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16K15420
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坂本 直哉 北海道大学, 医学研究科, 教授 (10334418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須田 剛生 北海道大学, 医学研究科, 特任助教 (20447460)
森川 賢一 北海道大学, 大学病院, 助教 (60384377)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | DAA薬剤耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、分子動力学解析法により、HCVを標的としたDirect acting antiviralsとそれぞれの標的蛋白との動的結合モデルを構築し、ウイルス薬剤耐性変異が標的結合性、複合体安定性に与える影響を解析、さらに得られた結果を、標的蛋白に変異を導入したHCV replicon細胞を用いた増殖・薬剤耐性レベルの解析で確認することを目的として研究を遂行し以下の結果を得た。 (1) HCV-NS5A蛋白は小胞体局在蛋白であり細胞内では二量体として存在する。NS5A蛋白とNS5A阻害薬分子、小胞体核酸、DAA分子のモデリングと分子動力学シミュレーションを実施し、NS5A2量体が安定して小胞体膜上に局在するための最適構造を確定した。(2) 未だ正確な結合構造があきらかにされていないNS5A阻害薬DaclatasvirとNS5A2量体の結合構造をシミュレーションしたところ、薬剤耐性変異L31, Y93アミノ酸残基の近傍に結合が安定化することを確認した。(3) 分子動力学シミュレーションで得られた仮説(モデル)を検証するためにNS5A阻害薬に対する耐性変異を有するHCV repliconおよびHCV genotype 1b培養系を構築し、増殖能および薬剤感受性を解析し、シミュレーションでの結合安定性と薬剤感受性が逆相関することが確認された。 本研究の成果により、今後数多く導入されるDAAプロトコルの症例に応じた適切な選択と適用決定のためのエビデンスを構築できる。また、ウイルス標的蛋白の遺伝情報のみから、治療効果、薬剤感受性、さらに治療による薬剤耐性化をin-silicoでウイルス培養を行うことなく解析、予測する仮想検査システムを構築することが可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は従来広く使用されていたDAAである、Daclatasvir、Asunaprevirに加え、Sofosbuvir、Ledipasvirなどの次世代DAAに関するin-vitro効果、薬剤耐性変異情報などを、臨床症例の解析データより明らかとすることができ、今後の分子シュミレーションと変異解析を行うための基本データを取得することができた。さらに、抗ウイルス効果に関連するインターフェロン応答関連遺伝子の発現解析を併せて施行し、DAAと感染細胞宿主蛋白との相互作用を解析する基盤データを得ることができた。以上より研究は概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は(1)NS5A蛋白二量体およびNS5A蛋白-NS5A阻害薬複合体の細胞内における動態、相互の分子間相互作用、およびアミノ酸変異存在時の変化を予測するため、分子動力学シミュレーションを下記の手順で施行する。i.変異導入により、タンパク-Daclatasvir のaffinity 低下を確認する。 ii.変異導入により、Daclatasvirが結合していたサイトを物理的に埋め、静電的にも結合に不利な状況になることを確認する。iii.シミュレーションと実験について:シミュレーションを行うにあたって必要なインプットに関する実験 もしくは共結晶の構造NMR による結合領域の特定などを予備的に施行する。さらに(2)分子動力学シミュレーションにより同定した耐性変異のin vivoでの機能、薬剤感受性を検証するため、ヒト肝細胞移植Alb-uPA/SCIDマウスにウイルス血清を接種し、薬剤投与後経時的に血中HCV-RNA量および標的タンパクの変異出現を解析する。
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Causes of Carryover |
C型肝炎に対する新規抗ウイルス薬剤が承認され、標準治療が旧薬剤から大きく変わったため、本研究で遂行する薬剤耐性化シミュレーションに必要な臨床データ、in-vitro耐性データを新規に取得する必要が生じた。そのためin silicoの変異解析、解析結果に基づいた耐性ウイルスのin vitro解析などを翌年度計画に移行したため、本年度での予算執行が減少した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度は、あらたに承認された新規抗ウイルス薬剤の臨床成績、個々の症例におけるウイルス変異と治療効果データに基づいて、本年度遂行できなかったin silicoの変異解析、解析結果に基づいた耐性ウイルスのin vitro解析を遂行する。
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[Journal Article] Hepatitis B virus X protein impairs α-interferon signaling via up-regulation of suppressor of cytokine signaling 3 and protein phosphatase 2A.2017
Author(s)
Tsunematsu S, Suda G, Yamasaki K, Kimura M, Izumi T, Umemura M, Ito J, Sato F, Nakai M, Sho T, Morikawa K, Ogawa K, Tanaka Y, Watashi K, Wakita T, Sakamoto N
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Journal Title
J Med Virol
Volume: 89
Pages: 267-275
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Anti-adipogenic and antiviral effects of l-carnitine on hepatitis C virus infection.2017
Author(s)
Tsukuda Y, Suda G, Tsunematsu S, Ito J, Sato F, Terashita K, Nakai M, Sho T, Maehara O, Shimazaki T, Kimura M, Morikawa K, Natsuizaka M, Ogawa K, Ohnishi S, Chuma M, Sakamoto N
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Journal Title
J Med Virol
Volume: 89
Pages: ahead of print
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Prevalence and characteristics of naturally occurring sofosbuvir resistance-associated variants in patients with hepatitis C virus genotype 1b infection.2016
Author(s)
Ito J, Suda G, Yamamoto Y, Nagasaka A, Furuya K, Kumagai K, Kikuchi H, Miyagishima T, Kobayashi T, Kimura M, Yamasaki K, Umemura M, Izumi T, Tsunematsu S, Sato F, Tsukuda Y, Terashita K, Nakai M, Sho T, Natsuizaka M, Morikawa K, Ogawa K, Sakamoto N
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Journal Title
Hepatol Res
Volume: 46
Pages: 1294-1303
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Resistance Analyses of Japanese Hepatitis C-Infected Patients Receiving Sofosbuvir or Ledipasvir/Sofosbuvir Containing Regimens in Phase 3 Studies.2016
Author(s)
Mizokami M, Dvory-Sobol H, Izumi N, Nishiguchi S, Doehle B, Svarovskaia ES, De-Oertel S, Knox S, Brainard DM, Miller MD, Mo H, Sakamoto N, Takehara T, Omata M
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Journal Title
J Viral Hepat
Volume: 23
Pages: 780-788
DOI
Peer Reviewed