2016 Fiscal Year Research-status Report
ゲノム編集技術を応用した新規遺伝子発現イメージング法の開発に関する研究
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16K15588
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
中神 佳宏 国立研究開発法人国立がん研究センター, 東病院, 医長 (80347301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 孝光 群馬県立県民健康科学大学, 診療放射線学部, 教授 (70464542)
井上 登美夫 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (80134295)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ゲノム編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、実験方法の概略について述べる。 1.293T細胞等の細胞群を液体培地上で培養後、それぞれの細胞群の対数増殖期に様々な遺伝子(例えばLacZやEGFP)を強制発現させるベクターを用いて各遺伝子を過剰発現する細胞系列を作成する。一方、それぞれの遺伝子に特異的にハイブリダイズするように設計したsgRNA/DNAを合成する。そして、それぞれのsgRNAに対し、5’末端(or 3’末端)のみに特異的に99mTcを標識する。この標識方法では、sgRNAのゲノム編集機能は殆ど保たれていることは予備実験にて確認している。そして、遺伝子高発現群と低発現群のそれぞれに等量の標識sgRNA+Cas9タンパク質複合体を加え一定時間(30分~24時間)37℃、5%CO2中でインキュベートする。 2.その上でそれぞれの細胞群から培地を取り除き、PBSで3回wash、適切な細胞溶解バッファーを用いてwhole cell lysateを取り出し放射能カウントを測定する。またそれぞれの総タンパク濃度もBCA法などにより測定し、単位タンパク量(細胞数に比例)当りのカウントに換算し、放射能を比較する。これらの実験により、遺伝子特異的にこの標識sgRNAが結合しているかどうかを確認できる。更に特に放射能カウントの高いサンプルから20%ポリアクリルアミド電気泳動法により放射性同位体標識sgRNA+Cas9タンパク質複合体を精製し,HPLC法等により構成要素等を解析する。 実験結果として、1.については、99mTcの標識率にバラツキがあり、どのような場合に標識率が高くなるのかその原因分析に未だ至っていない。2.については、遺伝子高発現群と低発現群の放射能差が少なく、遺伝子特異的に標識sgRNAが結合しているかの確認には至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
sgRNAの99mTc標識率にバラツキがあり、どのような場合に標識率が高くなるのかその原因分析にとまどっており、再現性の高い実験をすることが中々困難であった。また、うまく99mTcの標識が行われたとしても、遺伝子高発現群と低発現群の放射能差が少なく、遺伝子特異的に標識sgRNAが結合しているか現時点では不明である。
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Strategy for Future Research Activity |
sgRNAの99mTc標識率にバラツキがないように、標識方法のプロトコールの変更も考慮する必要があるかもしれない。また、遺伝子高発現群と低発現群の放射能差が少ない原因として標識方法が不完全であるため、実験中に99mTcが外れることが想定される。いずれにしても標識方法の再検討が重要な課題であろう。
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Causes of Carryover |
当初の計画通りに実験結果が得られず、そのため文献の検討等に時間を要し、実験回数が少なくなってしまったため物品費が思ったよりかからなかったため。また、研究助手の雇用を見込んで人件費の支出を予定していたが、人材派遣会社の都合により本年度での雇用に間に合わず、次年度に雇用することとなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
人件費の支出が相当になると思われる。また、その次に物品費の支出が多いと考えられる。他に、国際学会への出席費用も支出することとなると思われる。
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