2016 Fiscal Year Research-status Report
花粉症のアレルギー性鼻炎症状改善における歯科保存治療の応用に関する研究
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16K15796
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
石井 信之 神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 教授 (20163610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 寿樹 神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 教授 (00284753) [Withdrawn]
武藤 徳子 神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 講師 (40510433)
室町 幸一郎 神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 助教 (50637072)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 花粉症 / マウスピース / 唾液IgA 濃 / 唾液分泌速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、マウスピース装着前後の唾液流量、唾液中の分泌型Ig A量とアレルギー症状改善度との相関関係を解析することを目的とした 被験者は2016年2月~5月に本学を来院した花粉症患者(鼻アレルギーガイドラインに従って診断)15名と健常者8名を対照群として唾液検査を行った。 マウスピース装着前後におけるアレルギー性鼻炎重症度分類(0-12点)は、実験群の装着前(9.7)後(4.3)で有意に症状が改善されたが、対照群は変化しなかった(装着前(3.3)後(1.4)。唾液流量は唾液分泌速度(g/min)として計測した結果、実験群の装着前(0.6)後(1.0)で有意に上昇したが、対照群は変化しなかった(装着前(0.7)後(1.0)。多項目唾液検査を行った結果、対照群のマウスピース装着前後でアンモニア量の減少が認められたが、実験群の装着前後による変化は認められなかった。 唾液IgA 濃度(μg/ml)を測定した結果、マウスピース装着前の実験群(10.4)は、対照群(19.2)と比較して有意に減少した。マウスピース装着後の唾液IgA 濃度は、実験群、対照群共に変化しなかったが、実験群の唾液IgA分泌速度(μg/min)は、マウスピース装着前と比較して有意に増加した。 以上の結果から、花粉症患者は唾液IgA分泌濃度が有意に減少していることが明らかにされた。歯科診療に使用するマウスピースは、唾液量、唾液IgA分泌速度を増加させることによって、花粉症によるアレルギー性鼻炎症状を軽減することが明らかになった。唾液分泌型IgAが花粉アレルゲンの粘膜上皮接着抑制と肥満細胞抗IgE抗体への接着阻害に作動する可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度計画した研究内容はすべて順調に推移した。
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Strategy for Future Research Activity |
非IgE型アレルギー性鼻炎の発症に関しては不明な点が多く、「黄砂や大気汚染物質または花粉に含まれる病原微生物やその成分が関与する」と考えられています。さらに、鼻炎症状に留まらず、“非IgE型アレルギー疾患”消化管アレルギーでも認められます。しかもその発症にはIgEは全く関与しないため、IgEを介さない非IgE型アレルギー性鼻炎や非IgE型アレルギー疾患の発症機序解明と診断法および治療・予防薬を開発が急務である。 本研究では、マウスピース装着前後における 唾液中総IL-33量と総IL-10量を解析し、非IgE型アレルギー性鼻炎の発症機序の解明と治療法の開発を行う。
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Research Products
(1 results)