2016 Fiscal Year Research-status Report
iPS細胞樹立技術を応用した象牙芽細胞マスター遺伝子の探索
Project/Area Number |
16K15802
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大野 充昭 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60613156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪木 拓男 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (00225195)
大島 正充 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (00548307)
前川 賢治 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (20304313)
大橋 俊孝 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (50194262)
渡辺 亮 京都大学, iPS細胞研究所, 特定拠点助教 (60506765)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 象牙芽細胞 / マスター遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請では,歯科医学において未達成の重要な研究課題である「象牙芽細胞マスター遺伝子の同定」を試みる.具体的には象牙芽細胞分化時における遺伝子発現プロファイルデータをベースに,①Laser Micro-Dissection法を用いて生体組織から標的細胞群のみを抽出し,関連遺伝子の絞り込みを行い,②iPS細胞樹立技術を逆手に取ったマスター遺伝子同定法を駆使して象牙芽細胞のマスター遺伝子を同定し,新たな象牙質再生療法を開発することを目的としている. 平成28年度は,Laser Micro-Dissection法を用いて生後30日齢のイヌの帽状期歯胚の成熟象牙芽細胞,未分化象牙芽細胞,歯髄細胞を特異的に抽出することに成功した. また,RNA easy mini kitを用いてRNAを抽出した.その結果,次世代シークエンサーを用いたRNA-Seq解析に使用できる品質および量のRNAを抽出することができた.そして,このRNAを用いて網羅的解析を行い,データベースの構築まで終了した.来年度に関連遺伝子を抽出し解析を行う予定である. また,生体から象牙芽細胞を単離しても,その形質を保った状態の培養が難しく,in vitroでの解析が困難であった.そこで,上皮間葉相互作用で発生する歯において,発生過程にどのような基底膜が重要かを明らかにすることが,未分化象牙芽細胞の培養技術の発展に繋がると考え,現在歯の発生に関わる重要な基底膜の網羅的解析を開始し,幾つかの関連因子の抽出に成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は,Laser Micro-Dissection法による歯胚組織からのRNAの抽出,次世代シークエンサーを用いた用いたRNA-seqを実施し,データベースを構築することができたため,概ね順調に進展していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は,平成28年度に構築したデータベースから,象牙芽細胞のマスター遺伝子を抽出する.さらに,候補遺伝子に関しては,iPS細胞樹立技術を逆手に取ったマスター遺伝子同定法を駆使して象牙芽細胞のマスター遺伝子を同定を試みる. また,象牙芽細胞を未分化な状態で培養可能な培養方法の開発も同時に進める.
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Causes of Carryover |
平成28年度に予定していた解析の一部が平成29年度に解析を行うことになった. また,特に研究の進行に支障のない予定変更であると考えている.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度からの繰越金に関して,本来平成28年度に予定していた網羅的解析の解析の費用として使う. 平成29年度に予定している研究に関しては,平成29年度の助成金内で研究を実施する予定である.
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