2017 Fiscal Year Annual Research Report
Common marmoset as a primate model for gerontology in dentistry
Project/Area Number |
16K15852
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
粂井 康宏 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (30161714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水口 俊介 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30219688) [Withdrawn]
馬場 麻人 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 教授 (90251545)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | コモンマーモセット / 霊長類 / 歯周病 / 口腔細菌 / メタゲノム解析 / 老齢歯学 / 社会行動 / ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の当初の目的は、ヒト高齢者モデルとしての真猿類コモンマーモセットにおいて、顎骨、歯周組織、顎運動、咬合・咀嚼・嚥下、発声等の変化と、ストレス応答性の変化などを解明し、老化にともなう個体構造上の問題と社会行動学的な問題を並行して明らかにする予定であった。しかし、老齢マーモセットの需要が全国的に急増し、需給が逼迫したため、実施可能な実験内容が制約を受け、特に多くの個体数を必要とする解析が難しくなった。平成29年度では、代替として、高齢化に伴う口腔疾患と全身性の代謝/機能、行動との関連、およびその底流にある口腔内細菌叢などのミクロ分子環境の変化を追求するというアプローチにより、高齢マーモセットに特徴的な口腔疾患と口腔内細菌に特化したメタゲノム解析を行なった。対象としたのは、高齢マーモセット(オス:4頭、メス:4頭)および比較対照として若年マーモセット2頭、さらにヒトモデルとしての検証対照としてヒト(男性:4名、女性4名)試料を用いた。一般的な歯科診断(現存歯数、歯肉炎の有無、プラークおよび歯石の付着状況など)に加えて、唾液中の細菌叢の解析を行い、種間比較解析を行った。採取した唾液から核酸を抽出し、シーケンスライブラリを作成し、得られた塩基配列データを基にして細菌叢プロファイルを作成し、サンプル間のプロファイル比較解析を行なった。その結果、歯肉炎など歯周病症状の潜在的誘導性の細菌として、ヒトとマーモセットに共通の細菌および種特有の細菌などが確認され、口腔内細菌の多様性が認められた。またマーモセットの加齢に伴う唾液中のストレスタンパクについても定量解析した。これらの分子解析と平行して、得られたX線動画像については、顎運動、咬合・咀嚼・嚥下などは、専門の海外協力研究者による解析データと合わせて、最終的にヒト口腔疾患モデルとしてのマーモセットの有用性について評価する。
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Research Products
(3 results)