2017 Fiscal Year Research-status Report
災害時支援にかかる看護職へのブリーフィング・デブリーフィングガイドラインの検討
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16K15864
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
伊藤 尚子 千葉大学, 大学院看護学研究科, 特任准教授 (60583383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 達枝 東京医科大学, 医学部, 兼任准教授 (40576063)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 災害看護 / ブリーフィング / デブリーフィング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、災害発生時に支援活動のため派遣される看護職に対し、有効なブリーフィングとデブリーフィングがなされるよう、そのガイドラインを作成することを目的としている。 2016年度は第1段階として実際に災害時支援活動を行った看護職を対象に、先行研究より作成したインタビューガイドを用いて半構成的面接調査を実施した。延べ55名の看護職の協力が得られ、ブリーフィングを受けた者・実施した者、デブリーフィングを受けた者・実施した者、それぞれの立場からの回答を得た。ブリーフィングはグループ方式で災害支援活動の行程や注意事項の内容が多かった。デブリーフィングはグループ方式で報告会での開催が多く、個別対応としての精神的ケアや教育的支援などは行われていない現状が明らかになった。 2017年度は第2段階として、先行研究および面接調査で得られた結果をもとに質問紙を作成し、看護系大学の災害看護学担当教員/災害支援活動団体/災害時看護師派遣病院、および本研究者と分担者の知人である災害支援を経験した看護職などに延べ約1,260部(ブリーフィングを受けた者:330部、ブリーフィングを実施した者:300部、デブリーフィングを受けた者:330部、デブリーフィングを実施した者:300部)を配布した。 いずれも千葉大学大学院看護学研究科の倫理審査委員会の承認を得て調査を行っている。 現在、第1段階の面接調査の結果を災害または看護学関連の学会に発表する準備をしている。また、第2段階の質問紙調査で得られたデータを入力中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者および分担者との会議において、第1段階での反構成的面接調査の分析結果の共通認識や、第2段階の質問紙調査に向けての意見交換や質問紙作成の洗練化に時間を多く費やしたため進捗がやや遅れた。しかし質問紙の配布作業を終了し返送された回答データの入力作業に取り掛かっているためおおむね順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
第1段階の半構成的面接調査における内容分析の結果、および第2段階の質問紙調査における統計的分析の結果を踏まえ、災害時の支援活動に関連して、実施されたブリーフィングとでブリーフィングの内容をまとめる。さらに調査結果から得られた必要と思われるブリーフィングおよびデブリーフィングの内容をまとめる。 以上のまとめから、災害時に看護職を被災地に派遣する際のブリーフィングおよび派遣から帰還後のデブリーフィングのあり方について、先行研究を検討しつつガイドラインを作成する。 成果を報告書にまとめ、論文化する。
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Causes of Carryover |
質問紙調査について、協力者獲得のため直接依頼に行くことを計画していたが、依頼方法を電話などに変更した部分もあるため、その分の旅費が不要になった。 次年度に報告書をまとめることとし、前年度未使用額はその作成費用にあてる。 次年度には、研究成果を発表したり本研究に関連するテーマの知見を深めるために学会に参加をし、助成金はその旅費および、上記報告書作成に使用する計画である。
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