2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K15875
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
吉良 淳子 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (40269379)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | リンパ浮腫 / 複合的理学療法 / シミュレータ / リンパドレナージ |
Outline of Annual Research Achievements |
乳がんや下腹部がんの手術療法に伴うリンパ節郭清によって発症するリンパ浮腫は上肢・下肢の外観の変化や日常生活動作の困難さをもたらし,患者のQOLを低下させる。複合的理学療法の一つであるリンパドレナージは,皮膚を大きく伸展させながら皮下の毛細リンパ管へのリンパ液の還流を促進し,抹消から中枢に向けてリンパ液を誘導する手技であるが効果的なドレナージには熟練を要する。 申請者は,県内企業やリンパ浮腫治療の専門家の協力を得て,2016年度から,圧のかけ方や皮膚の伸展の方向や強さを可視化できるリンパ浮腫ドレナージ教育用シミュレータの開発に取り組んだ。しかし,浮腫患者の皮膚の状態の再現や,わずかな圧やせん断力の変化を感知することに難渋し,研究計画に遅れをきたした。 最終年度である2018年度までに試作を重ね,目指していたリンパ浮腫ドレナージ教育用シミュレータが完成した。しかし,当初に予定していたリンパドレナージシミュレータの臨床試験には至っていない。そこで,研究期間の延長を申請し,2019年度はシミュレータの評価を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2016年度から,これまで県内企業やリンパ浮腫治療の専門家の協力を得て,リンパ浮腫ドレナージにおける圧のかけ方や皮膚の伸展の方向や強さを可視化できる教育用シミュレータの開発に取り組んだ。しかし,浮腫患者の皮膚状態の再現や,わずかな圧やせん断力の変化を感知することに難渋し,試作を繰り返したために研究計画に遅れをきたした。 最終年度末の時点で,シミュレータの完成に至るが,評価までは遂行できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間の延長が承認されたので,2019年度は完成したシミュレータの精度や実用性を評価する。そのためには,面でとらえた圧やせん断力を評価指標としての数値に置き換えるためのプログラムが必要であり,今後は,①技術を数値化するためのプログラム開発を行うと思に,リンパ浮腫セラピスト等の協力を得て②シミュレータの有用性の主観的・客観的評価を進めていく。
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Causes of Carryover |
シミュレータの開発において専門家の意見を聞きながら試作を繰り返し,当初予定よりも完成までに時間がかかり,製品としてのシミュレータの評価までは遂行できなかった。そのため,予定していた完成品の購入(物品費)および臨床試験等に係る経費を使いきれていない。 研究期間の延長が認められたので,研究費を次年度に繰り越し,以下の計画で使用する。 ・シミュレータ本体の購入:約60万円,評価プログラムの開発約50万円,研究発表に関する旅費:約10万円,その他消耗品等。
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