2017 Fiscal Year Research-status Report
補完代替医療におけるエネルギー療法「レイキ」のがん患者への活用モデルの構築
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16K15906
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
杉山 智江 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (50320693)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 補完代替医療 / がん患者 / Reiki / 文献レビュー / 血流量 / レイキヒーリング / 唾液アミラーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
1.「がん患者へのレイキ活用に関する文献検討」:国内文献が見当たらない(杉山智江,2016)ことから、国外文献レビューを行った。「Reiki」「Cancer」をKey wordsとし検索した結果Pub Med (1961~2017)357件、Cochrane Register of Controlled Traials(All years)1件、EBSCO host(2001~2017)17件であった。このうちReikiとCancerに関する文献は23件であり多数の国で発表されていた。23件のうち文献検討は7件であり、研究方法や、効果の評価、研究のサイズなどさらなる検討が必要(Henneghan,AM.2015,Gonella,S.2014, Demir,M.2013, Potter,PJ.2013,Coakley,AB.2012,)であり、Joyce,J(2015)は、抑うつと不安へのReikiの効果についてRCTの結果では効果があるとは言えなかった。Reikiの施術者レベル,経験年数,手技が記載されている論文は少なく、施術場所や施術時間が不適切であり、主観的評価尺度が多く、客観的評価はBP,HR,Pなどのバイタルサインズであった。 2.血流量計の測定用具の検討:施術を受ける者と施術者の両者の血流量を測定した。施術を受ける者は、ヒーリング中に血流量が増加する自覚があり、客観的血流量の増加時間と一致した。 3.質問紙調査用紙の検討:エドモンド症状評価システム改訂版(日本語版)(Edmonton Symptom Assessment System Revised Japanese version:ESAS-r-J)を使用し今の10症状と身体の痛みの部位を調査する。記入者の負担が最小限であり、現在の状態を判りやすく明示できる指標として有用である。許諾の必要なく使用が許可されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
1.「がん患者へのレイキの活用の効果」に関する文献レビュー(1)国内文献レビューのまとめは、論文投稿の準備中である。(2)国外文献レビューのまとめは、取り寄せ中の論文を追加し学会発表または論文投稿の準備中である。(3)著書による「靈氣療法」「量子力学」「ポラリティーセラピー」などエネルギー療法の歴史的背景についても調査を継続中である。 2.研究協力者への連絡・調整(1)「レイキ」の施術が可能な調査対象者となる「がん患者(治療中)」の選定及び紹介を医師に依頼予定である。(2)「健康な人」の選定は、専門セラピストと相談する。(3)がん患者にレイキの施術が可能な専門セラピストを選定(面接・施術実技)し、2名の協力及び承諾を得ている。専門セラピストも本研究の対象者として施術中の血流量や施術前後の質問紙調査の協力を依頼する。 3.レイキ施術前後の質問紙調査用紙は、エドモンド症状評価システム改訂版(日本語版)(Edmonton Symptom Assessment System Revised Japanese version:ESAS-r-J)を使用する。 4.測定用具の検討(1)耳朶へのクリップ式JMS血流量計にて、施術中の脳への血流量を測定する予定である。医療機器として認定、非侵襲的、研究期間中のリースが可能である。(2)副交感神経(ストレス)に関与する客観的評価の測定用具には、唾液アミラーゼの測定機器の購入を検討中である。 5.研究代表者の役割遂行(1)研究計画書に基づき倫理審査申請、調査協力依頼書や質問紙、承諾書等の作成。(2)調査協力者への依頼(専門セラピストを含む)(3)平成28年度、平成29年度の報告書を作成。(4)研究の方法や方向性を確認するために研究代表者・連携研究者・研究協力者間で会議を実施。学会やシンポジウムに参加して最新の情報を得る。
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Strategy for Future Research Activity |
1.早急に倫理審査を申請して、対象者となる「健康な人」「がん患者」「セラピスト」への安全と倫理的配慮のもとに、研究を実施する。国外文献レビューから研究方法や研究スタイルの検討を行い客観的・主観的評価方法を選択することで「レイキ」の効果と安全性を保持できるよう留意する。また「レイキ」の効果と安全性に関する結果を提示することで「レイキのがん患者への活用」が実現できるよう臨床研究に着手できるよう準備する。 2.国内外の「がん患者へのレイキの活用について」文献レビューを継続する。(1)国内文献での「レイキ」の活用他に関する、文献検討を継続する。(2)国外文献レビューを継続する。今回のレビューでは、Reikiの施術者の質が異なっていることや,施術をする環境が適切ではないことが明らかになり,これらの環境要因が研究結果に影響を及ぼす可能性があることが示唆されたので本研究に取り入れたい。 3.著書による「代替補完医療」や「レイキ」「エネルギー療法」の歴史的背景やレイキ以外のエネルギー療法への理解を深める。 4.研究方法について検討(1)レイキヒーリングの発展系であるカルナレイキRについて、講習会を受講し、理解を深めて本研究でのレイキヒーリングの方法を再検討する。(2)「レイキ」の効果に関する測定用具の検討を継続する。研究開始後は、早期に中間結果をまとめて測定用具の信頼性と妥当性を適宜検討する。(3)研究協力者である専門セラピスト2名と協同して「レイキ」施術の手順や実施場所等を相談し適宜協力を得る。
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Causes of Carryover |
理由:1.がん専門病院のがん専門医師を対象に、補完代替医療の活用への意識と実態を明らかにすることを目的とし調査研究を実施する予定であったが、「がん患者へのレイキの効果」に関する研究を優先に進めた為未実施である。その為、質問紙調査の郵送料金と謝礼金が未使用となっている。(昨年度同様)2.レイキの効果を測定するための評価スケール(主観的・客観的)の検討と対象者の選定に時間を要しており、倫理審査の申請が未だのため、研究に着手できず未使用となっている。 使用計画:本研究課題の中心である「がん患者へのレイキの効果」に関する研究を優先に遂行し、平成29年度~平成30年度にかけて「がん専門病院のがん専門医師を対象に、補完代替医療の活用への意識と実態に関する調査研究」を実施する予定である。その際に、質問紙調査郵送料、謝礼金を使用する予定である。(昨年度同様)2.評価スケールのレンタル、購入、研究協力者への謝礼金、会議費、学会参加、論文発表等で使用する予定である。
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