2018 Fiscal Year Research-status Report
補完代替医療におけるエネルギー療法「レイキ」のがん患者への活用モデルの構築
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16K15906
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
杉山 智江 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (50320693)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 補完代替医療 / がん患者 / Reiki / レイキヒーリング / ヒーリング |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 「がん患者へのレイキ活用に関する文献検討」:国内文献レビュー(杉山智江,2016)に続き、「がん患者へのレイキ活用に関する海外文献における研究動向」:国外文献レビュー(テイラー栄子,2018)について学会で発表した。Key wordsは「Reiki」「Cancer」とし2018年4月に電子検索した結果、Pub Med (2017~1961)357件、Cochrane Register of Controlled Traials(All years)1件,EBSCO host(2017~2001)17件であった。abstractまたは本文からReikiとCancerに関連しない研究や重複文献等を除外し20件をレビュー対象とし、文献検討4件を除く16件の内訳は、アメリカ7件、イタリア2件、ブラジル1件、トルコ1件、記載なし5件であった。1994年にレイキに関する最初の症例報告が1件、1999~2003年1件,2004~2008年2件,2009年~2013年3件,2014年~2018年9件であった。病院やクリニックでの研究が12件、評価尺度はVAS、DT、GAD-7、GHQ-9、POMSなどが多く用いられていた。レイキの施術者については施術者のレベル、受講したトレーニングの形式, 経験年数,複数で施術する場合の方法、手技、研究に対する協力体制など記載されている論文は少なかった。今回のレビューでは、レイキの効果について明らかにされていなかった。その要因の一つとして、レイキ施術者の質や、不適切な環境が研究結果に影響を及ぼす可能性があることが示唆された。これらの要因を整備することがレイキの効果を明らかにする一助になると考える。 2.レイキヒーリングによる癒しの効果を測定する客観的な指標として、文献から尿中オキシトシン(非侵襲的検査)について検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
1.「がん患者へのレイキの活用の効果」に関する文献レビュー(1)国内文献レビュー(2)国外文献レビューについて学会で発表した内容の論文投稿準備中である。(3)著書「靈氣療法」「医療革命」等によるエネルギー療法の背景の情報を得る。特に「Energy Medicine:The Scientific Basis 2015」はエネルギー療法の効果に関する実験結果(図表)が多く掲載、エネルギーという可視化が難しい領域に関する研究成果の進展につながる情報を得る。 2.研究協力者への連絡・調整(1)「健康な人」の調査協力への内諾を得た。(2)「がん患者(治療中)」の選定及び紹介を医師に依頼は、「健康ない人」を先行するため保留中。(3)レイキを施術する専門セラピスト2名が期限延長のため辞退の為、再度、選定(面接・施術実技)し協力及び承諾を得る予定。専門セラピストも本研究の対象者として施術中の血流量や施術前後の質問紙調査の協力を依頼する予定。 3.レイキ施術前後の質問紙調査用紙は、エドモンド症状評価システム改訂版(日本語版)(Edmonton Symptom Assessment System Revised Japanese version:ESAS-r-J)を使用する。 4.測定用具の検討(1)耳朶へのクリップ式JMS血流量計にて、施術中の脳への血流量を測定する予定。医療機器として認定、非侵襲的、リースが可能。(2)副交感神経(ストレス)に関与する客観的評価の測定用具として唾液アミラーゼの測定値の信頼性・妥当性を検討中。(3)ヒーリング(癒し)の効果として、尿中オキシトシン(非侵襲)の測定について検討中。 5.研究代表者の役割遂行(1)研究計画書に基づき倫理審査申請、調査協力依頼書や質問紙、承諾書等の作成。(2)調査協力者への依頼(3)平成28-平成30年度の報告書を作成。(3)適宜会議開催。
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Strategy for Future Research Activity |
1.早急に倫理審査を申請して、対象者となる「健康な人」「がん患者」「セラピスト」への安全と倫理的配慮のもとに、研究を実施する。国外文献レビューから研究方法や研究スタイルの検討を行い客観的・主観的評価方法を選択することで「レイキ」の効果と安全性を保持できるよう留意する。また「レイキ」の効果と安全性に関する結果を提示することで「レイキのがん患者への活用」が実現できるよう臨床研究に着手できるよう準備する。 2.国内外の「がん患者へのレイキの活用について」文献レビューを継続する。(1)国内文献での「レイキ」の活用他に関する、文献検討を継続する。(2)国外文献レビューを継続する。今回のレビューでは、Reikiの施術者の質が異なっていることや,施術をする環境が適切ではないことが明らかになり,これらの環境要因が研究結果に影響を及ぼす可能性があることが示唆されたので本研究に取り入れたい。 3.著書による「代替補完医療」や「レイキ」「エネルギー療法」の歴史的背景やレイキ以外のエネルギー療法への理解を深める。 4.研究方法について検討(1)レイキヒーリングの発展系であるカルナレイキ®から本研究でのレイキヒーリングの方法を検討する。(2)「レイキ」の効果に関する測定用具の検討を継続する。研究開始後は、早期に中間結果をまとめて測定用具の信頼性と妥当性を適宜検討する。(3)新たに研究協力者となる専門セラピストの選定が必要となった。新たなセラピストと協同して「レイキ」施術の手順や実施場所等を相談し適宜協力を得る。
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Causes of Carryover |
理由:1.「がん患者へのレイキの効果」に関する研究を優先に進めた為「アンケート調査」に必要な質問紙調査の郵送料金と謝礼金が未使用となっている。(昨年度同様)2.レイキ専門セラピストの協力が得られなくなり、新たに専門セラピストを選定する事態となった。3.倫理審査の申請が未だのため、研究に着手できず未使用となっている。 使用計画:「がん患者へのレイキの効果」に関する研究と並行して「がん専門病院のがん専門医師・看護師を対象に、補完代替医療の活用への意識と実態に関する調査研究」を実施する予定である。その際に、質問紙調査郵送料、謝礼金を使用する予定である。2.評価スケールのレンタル、購入、研究協力者への謝礼金、会議費、学会参加、論文発表等で使用する予定である。
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