2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of fetal monitoring device connecting smartphone and teaching materials for developing countries
Project/Area Number |
16K15918
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
藤田 和佳子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 講師 (10732753)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 胎児心拍数モニタリング / 分娩監視装置 / ザンビア |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度に実施したマイクロフォン式胎児心音計試作機の性能評価に関する分析を行った。予備調査2名、本調査48名の妊婦を対象に、トラウベ、超音波ドップラー、マイクロフォン式の試作機の3種類の聴診を実施し、聴診の質を比較した。分析により、2点の課題が明らかになった。1点目は、マイクロフォン式のデメリットとして、信号過大による音の歪みや手振れの雑音、腸蠕動音などの胎児心音以外の音を拾ってしまうために、他の聴診器に比べて音質が不明瞭になることが分かった。この点を改善するためには、インピーダンスの良い特殊なマイクロフォンを使用する、或いは、実際の心音を増幅するのではなく、信号処理機能を搭載する必要があった。 2点目は、マイクロフォン式心音計の聴診方法はトラウベに準ずるため、妊娠週数が20週台の早い時点では心音はかなり小さく聞こえ、聴診が難しいこと、また、聴診者の腹部触診の手技により、胎児の心音を聴診部近くに引き寄せて聴診する必要があることが分かった。今回の試作機の形状はマッチ箱型であった。トラウベの筒状の形態だと、耳だけで聴診器を固定し、両手で腹部触診をすることが可能であるが、試作機の現行の形状では片手で聴診部を把持する必要があるため、両手を使った触診が行えず、特に体位が骨盤位で胎児の心臓の位置の探索が難しい症例では、トラウベよりも聴診の質が下がることがあった。以上のことから、マイクロフォン式胎児心音計の開発には、超音波ドップラーと同等の音質を確保するための改善、及び形状の改善が必要であることが判明した。これらの開発にかかるコストが、超音波ドップラーより安価になることが求められ、開発に困難を来たした。 フェーズ2のスマートフォン連動型ドップラー診断装置に関しては、同様のコンセプトを持つ機器をすでに開発している企業があったため、その製品をザンビアの医療機関で実験的に使用した。
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Research Products
(2 results)