• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2017 Fiscal Year Research-status Report

他者による自己の心的状態推測の認識と意思決定への利用

Research Project

Project/Area Number 16K16076
Research InstitutionJuntendo University

Principal Investigator

小川 昭利  順天堂大学, 医学部, 助教 (30374565)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords意思決定 / 機能的磁気共鳴画像法 / 心の理論 / 側頭頭頂接合部
Outline of Annual Research Achievements

昨年度の行動実験等とデータ解析に基づいて、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて、二人非協力非ゼロ和ゲームを行っているときの実験参加者の脳活動を計測した。ヒトと対戦しているときの脳活動、均衡解に基づく確率で選択を行うコンピュータプログラムと対戦しているときの脳活動、実験参加者の選択をパーセプトロンにより予測するコンピュータプログラムと対戦しているときの脳活動、という3条件(それぞれHUM/COM1/COM2と呼ぶ)での脳活動の比較を行った。まず、選択行動の学習と決定に関わっていると考えられる線条体の活動を解析した。結果は、ヒトと対戦しているときの選択確率の学習に線条体が関与していることを示した。つぎに、昨年度の研究実績として報告した心の理論にかかわる脳領域を特定する手法により同定した左右の側頭頭頂接合部(TPJ)の活動を解析した。その結果、左側頭頭頂接合部で、意思決定時のHUMとCOM2の脳活動パターンが似ていることがわかった。このことは、HUMとCOM2の行動解析結果が相関していることに対応している。以上の結果は、二人非協力非ゼロ和ゲームにおいてヒトと対戦するときには、相手が自己の選択を予測してくるという認識が意思決定に利用されていることを示唆する。
本研究の一部として行った研究について、雑誌論文の発表(Neuroimage、計1報)、および学会発表(第21回実験社会科学カンファレンス、行動経済学会第11回大会、脳と心のメカニズム第18回冬のシンポジウム、次世代脳プロジェクト冬のシンポジウム2017、計4回)を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度の本研究(他者による自己の心的状態推測の認識と意思決定への利用)では、fMRI実験を完了し、計算モデルを用いた行動・脳活動の解析を行い、研究成果をまとめて国際ジャーナルに論文を投稿する予定であった。さらに、アドバンスな研究内容への発展(視線計測のモデルへの組み込み)を行う予定としていた。
昨年度の行動実験等とデータ解析結果に基づいて、fMRI実験を実施・完了した。そして、計算モデルを用いた行動・脳活動データの解析を行った。選択行動の学習に線条体が関わることが計算モデルをベースとした解析から明らかになった。さらに、関心領域 (ROI) における脳活動パターンの相違を調べるRepresentational Similarity Analysis (RSA)を行った。ヒトと対戦しているときと、実験参加者の選択を学習・予測するコンピュータプログラムと対戦しているときとで意思決定時の左側頭頭頂接合部 (LTPJ)の活動が相関していることを明らかにした。
視線計測についてモデルへの組み込みについては完成までもう少しである。決定ボタンを押す前の視線情報から選択内容を予測できることを確認したが、これは視線情報を単独で用いた場合である。これを計算モデルに組み込んだときにより高い精度で実験参加者の選択を予測できるようにするためのパラメータ最適化が残っている。
以上の結果をもとにして論文執筆を開始したところである。早期に完成させて国際ジャーナルへ投稿したいと考えている。

Strategy for Future Research Activity

fMRI実験による脳活動データの取得、計算モデルを用いたデータ解析は完了しており、論文を執筆しているところである。今後は、学会発表と、論文を早期に完成させて国際ジャーナルへ投稿する予定である。

Causes of Carryover

主に国内出張と英文校正の費用について使用予定額に満たなかったため、次年度の国内出張と英文校正の費用に充当する予定である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2018 2017

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] Functional subdivisions of the hypothalamus using areal parcellation and their signal changes related to glucose metabolism2017

    • Author(s)
      Osada Takahiro、Suzuki Ruriko、Ogawa Akitoshi、Tanaka Masaki、Hori Masaaki、Aoki Shigeki、Tamura Yoshifumi、Watada Hirotaka、Kawamori Ryuzo、Konishi Seiki
    • Journal Title

      NeuroImage

      Volume: 162 Pages: 1~12

    • DOI

      10.1016/j.neuroimage.2017.08.056

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Striatal activation for winning-percentage-maximization in competitive situation2018

    • Author(s)
      Ogawa Akitoshi、Kameda Tatsuya
    • Organizer
      脳と心のメカニズム第18回冬のシンポジウム
  • [Presentation] 二人競合繰り返しゲームにおける選択の学習に関わる脳活動2017

    • Author(s)
      小川昭利、亀田達也
    • Organizer
      第21回実験社会科学カンファレンス
  • [Presentation] 他者のためのリスクを伴う意思決定におけるマキシミン的配慮の研究 ーマウスラボとfMRIによる検討ー2017

    • Author(s)
      上島淳史、小川昭利、犬飼佳吾、亀田達也
    • Organizer
      行動経済学会第11回大会
  • [Presentation] 利得が競合する状況における勝率最大化のための選択行動の学習への線条体の関与2017

    • Author(s)
      小川昭利、亀田達也
    • Organizer
      次世代脳プロジェクト冬のシンポジウム2017

URL: 

Published: 2018-12-17  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi