2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K16164
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
岡部 晋典 同志社大学, 学習支援・教育開発センター, 助教 (60584555)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 疑似科学 / 図書館 / 蔵書構成 / リテラシー / 選書 / インタビュー調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は本申請課題の2年目にあたる。1年目に設計した研究計画に基づき、海外調査および、1年目に行っていた研究のとりまとめを行い、学術書を単著で上梓した。
海外調査については、2017年7月後半にアメリカ図書館協会(ALA)の知的自由委員会(シカゴ)をの訪問調査を行った。具体的には、図書館に対して「批判される」本のカウンター行動である"banned books week"を主催しているスタッフの方々に対しヒアリング調査を行った。知的自由への擁護の議論や、どのような図書が「検閲」にさらされやすいのか、そして時代とともにある図書に対する「批判的議論」はどのような変遷を辿っているかという聞き取りを行った。これらは,次年度以降の,我が国における「図書への批判」「検閲」の差の軸として取り扱う予定である。
また、ウェブ情報と紙額の情報の信頼性の差という点をリサーチクエスチョンの中心の軸の一つとして設定したヒアリング調査を行った。調査対象者は14名であり,主として(1)図書館に関するイメージの少ない人々(2)深く紙媒体としての図書館を使いこなしていることが想定できる人々,(3)Web時代の図書館を使いこなしている人々(4)新時代の図書館を構築している人々の四区分に分け,インタビューを行った。この結果を『トップランナーの図書館活用術:才能を引き出した情報空間』2017,勉誠出版 としてまとめた。本書はソーシャルネットワーキングサービス上で多いに話題になり、各種書評サイトでの言及に留まらず,当該学術領域の雑誌等においても好意的な複数の書評を受けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年の報告書にも記したように、研究計画を提出した段階において当初実施する予定であった量的調査について、類似した構図の研究が他の研究グループより提出されてしまったため、質的調査を重点的に行うよう研究の方針転換を行った。その結果、予期せざるものとはいえ単著が刊行できたことは予想外の結果といえた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度に向けて、現在作成中であるアンケート調査の質問紙の設計をより精緻に行い、実際の調査を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
先述したように,想定していた量的調査に必要な資金を調査手法を変更させたため,次年度使用額が生じた。これらの次年度使用額は,申請時に考慮していた,更に別の量的調査のサンプル数増加や質問数増加のために利用することする。
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Research Products
(7 results)