2016 Fiscal Year Research-status Report
多視点行列を用いた手描きアニメーション調CG表現に関する研究
Project/Area Number |
16K16181
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
奥屋 武志 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (60754736)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | コンピュータグラフィックス / ノンフォトリアリスティックレンダリング / 消失点 / 遠近感 / 投影変換行列 / 多視点行列 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)手描きアニメーションの幾何学的分析と消失点操作アルゴリズムの基礎的実装 本研究では3DCGで手描きアニメーションを再現するための手法として消失点の移動に着目している。本研究の予備実験の段階では、消失点移動を行う投影変換行列を生成するための入力パラメータとして消失点の三次元座標のみを用いていた。しかし、三次元座標のみでは操作性に問題があり制作者の意図した画像を生成することが困難であることが判明したため、新たな入力パラメータとして投影参照面を追加した。投影参照面は消失点移動の前後で変形が生じない断面である。これにより、制作者は投影参照面を基準としながら消失点の移動を行うため、操作性が改善された。また、消失点移動の評価実験を行った際に、手描きアニメーションの再現のためには本手法以外にも、人物を広角カメラで撮影した状況でも望遠レンズの様な遠近感で画像の歪みを低減する等の遠近感強弱調整も必要であることが判明した。したがって、入力パラメータとして仮想視点と投影参照面を用いる遠近感強弱調整の行列生成アルゴリズムも提案し、実装を行った。 (2)提案手法の幾何的評価 消失点移動と遠近感強弱調整によって手描きアニメーションの合成工程によって生じる形状表現上の特徴を再現できていることを評価実験から定性的に確認した。 (3)既存の3DCG制作ツールへの組み込み 提案手法を既存の3DCG制作ツールへ組み込むため、ゲームエンジンのUnity上での実装を行った。開発環境にUnityを選択した理由としては、現在Unityはビデオゲーム以外の映像制作のための機能も積極的に開発されており、CG分野全体での利用が広まっていることが挙げられる。これにより、提案手法の映像制作での実証をアニメーション制作とビデオゲーム制作の両分野で行うための環境を整えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2016年度の研究ではアルゴリズムの基礎的実装について消失点移動の入力パラメータの検討と遠近感強弱調整アルゴリズムの開発を行い、評価実験で手描きアニメーションの特徴を再現できていることを確認した。よって、おおむね順調に進展していると言える。 また、2016年4月にCGアニメーション制作会社との共同研究が決定したため、申請書の研究計画から順番を前後し、2017年度に行う予定であった既存の3DCG制作ツールへの組み込みを先に行った。本実装も完了し、現在は実際の映像制作上での評価を行うための準備を進めている。よって、おおむね順調に進展していると言える。 これらを総合し、おおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は実際の映像制作上での提案手法の評価を中心に行う。制作を進めていくうちに現在の手法では生成画像やインタフェースに問題があると判断した場合には適宜アルゴリズムの修正等を行う。また、ビデオゲーム開発者とも議論を行い、提案手法の応用可能性を検討する。
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Causes of Carryover |
既存の3DCG制作ツールへの組み込みにあたって、主な開発環境を申請時に予定していた3ds MaxからUnityに変更したため、適切な開発用機材の再検討が必要となり、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主に評価実験に必要な機材と資料の購入、研究出張と発表のための費用への使用を計画している。
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Research Products
(2 results)