2017 Fiscal Year Research-status Report
高齢者が暮らす居宅の温熱環境が血圧・認知機能に及ぼす影響に関するフィールド研究
Project/Area Number |
16K16254
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
小川 まどか 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (90626532)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 加齢 / 高齢者 / 睡眠の質 / 寝室の環境 / 血圧 / 認知機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高齢者が居住する居宅の温熱環境が睡眠や血圧、認知機能といった健康指標に与える影響を検討するものである。睡眠は、食事や運動などの生活習慣と同様にひとの健康に影響を与える要因のひとつである。加齢とともに睡眠効率や睡眠の質の悪化などの睡眠障害を有する者の割合が増加し、日常生活の質の低下につながる可能性が考えられる。また、睡眠には寝室の環境との関わりが大きい。質の高い睡眠を確保するためには、それを可能にする温度や湿度などの環境側の要素を明らかにすることが有用であろう。 そこで、2017年度は、地域在住高齢者の寝室環境と睡眠との関係を広く把握するために、地域在住高齢者長期縦断疫学研究(SONIC研究)において兵庫県と東京都に居住する75から77歳の男女810名を対象とした郵送による質問紙調査を実施し、709名より回答が得られた(回収率87.5%)。調査内容は、睡眠に関連がある寝室を中心として環境と環境調整の方法、ピッツバーグ睡眠質問票日本語版を含む睡眠の量や質、人生満足度、感情的well-beingであった。 本調査から、地域在住高齢者の睡眠習慣の実態を把握できた。また、寝室の環境と睡眠との関連においては、環境調整の方法が睡眠の質に関連している可能性が示唆された。 調査により得られた結果の一部として睡眠と健康の関連を簡単に記述したリーフレットを作成し、調査参加者へのフィードバックを行った。また、現在は引き続きデータ分析を行っている。結果の一部は、2018年度日本老年社会科学会にて報告する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた調査および参加者へのフィードバックの作成まで完了した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2018年度は、SONIC研究に参加している80歳代のコホートを対象とした同様の郵送調査を実施する予定である。所属機関における倫理委員会への申請と調査票の改善を行い、昨年度と同じ時期に郵送調査を実施する予定である。また、2017年度と2018年度に収集したデータをもとに、年代差の検討などの分析を進める。
|
Causes of Carryover |
2017年度に予定していた人件費およびリーフレットの印刷の支出を他予算で賄ったため。未使用分は、2018年度の調査実施やリーフレットの作成にあてる。
|
Research Products
(3 results)