Outline of Annual Research Achievements |
10か国(インドネシア、バングラディッシュ、中国、マレーシア、ミャンマー、パキスタン、日本、フィリピン、タイおよびベトナム)から収集した素性の明確な米試料について、ICP-MSを用いて18元素(B, Mg, Al, K, Ca, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, As, Rb, Sr, Mo, Cd, Ba and Pb)の濃度を測定した。18元素について10か国間での有意差検定を行った結果、9元素(Mg, Al, K, Fe, Co, Zn, Mo, Ba and Pb)について有意差が認められた。9元素を用いて、判別分析を行った結果、マレーシア、パキスタンおよびフィリピンは、特徴的な分布を示すことが分かった。 炭素・窒素・酸素および硫黄の安定同位体比および18元素(B, Mg, Al, K, Ca, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, As, Rb, Sr, Mo, Cd, Ba and Pb)を用いて判別分析を行った。バングラディッシュ、マレーシア、パキスタンおよびフィリピンが特徴的な分布を示すことが分かった。日本、中国およびタイについては、他国に比べて分布が近く、似た特徴を示したが、安定同位体比と元素組成を組み合わせることで、日本産米の産地判別の精度が向上した。 以上より、精米の安定同位体比および元素組成を組み合わせることで、アジア各国の米試料の産地判別の精度が向上することが示唆された。
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