2016 Fiscal Year Research-status Report
データ分析と論証活動を支援する探究型統計学習環境の開発
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16K16312
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大浦 弘樹 早稲田大学, 大学総合研究センター, 助教 (90466871)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 統計学習 / システム開発 / 学習科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,統計的思考の育成を目標に「データ分析と論証活動を支援する探究型統計学習環境」を開発することである.平成28年度の研究計画として,1)最新研究の現地調査と2)Web学習環境システムの構築,3)学習コンテンツの開発,の3つがあった.1)に対し,2016年6月にシンガポールで開催された国際会議ICLS2016に参加し,データ分析や論証に関わる学習科学の研究動向について調査を行った.2)については,理論的な説明(講義)を受ける前に実践を体験しながら議論をすることで学習を促す「未来の学習のための準備(Preparation for Future Learning: PFL)」の支援原理を元に,ノベルゲーム型のWeb学習環境を構築した.本環境の特徴の1つは,統計的問題のシナリオの中でシミュレーション(または既存のデータによる)統計的表象を埋め込み,理論的な説明を受ける前に他者と議論しながら統計的問題解決を体験できる点にある.本環境上に3)に関連して正規分布等の分布に従う母集団を想定した3つの統計的問題解決シナリオを制作した.また,本システムのユーザビリティや学習プロセスを検証するため,本環境で3つのシナリオをプレイしてから理論的な講義動画を視聴する順で学習する小規模(N=6)の実験を実施した.その結果,操作面で問題なくペアで議論しながらシナリオをプレイすることができた.また,学習プロセスにおいても統計的表象を見ながら講義動画の内容に関連する発話が確認され,被験者の大半が後で視聴した講義動画の内容が分かりやすく感じた(ややそう思う・そう思う)と回答した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の研究計画のうち3)については追加の学習コンテンツを制作する必要はあるが概ね計画通りに進んでいる.現在,残りの学習コンテンツの制作と学習環境(システム・コンテンツ)の評価に向けた準備を行っている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の予定として,平成29年度は残りの学習コンテンツの制作を行い,夏以降に構築した学習環境(システム・コンテンツ)の評価(平成29年度 研究計画 4)を実施する予定である.その結果に基づき,学習環境の修正(平成29年度 研究計画 5)を行う予定である.
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Causes of Carryover |
物品の一部が未購入のため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の物品をH29年度中に購入する予定.
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Research Products
(1 results)