2016 Fiscal Year Research-status Report
前十字靭帯再建後の靭帯リモデリングに基づく客観的なリハビリテーション指標の確立
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16K16436
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
中川 周士 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30643382)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 前十字靭帯 |
Outline of Annual Research Achievements |
前十字靭帯 (anterior cruciate ligament:ACL)はスポーツ活動に際して膝関節の重要な支持機構である。ACL 損傷は代表的なスポーツ外傷で、自然治癒は望めず、膝関節痛および不安定感のためにスポーツ 活動に多大な支障を来たす。ACL 損傷に対し自家腱移植術が行われるが,術後のリハビリテーション および競技復帰には移植腱の成熟を無視して行われている。われわれは MRA を用いることで移植腱の 血流を評価することに成功している。これを発展させて、ACL 再建術後の移植腱の血流の変化の評価 を行うことで再建靭帯のリモデリングや強度を判定できるシステムを構築できれば、非侵襲的に ACL 再建後のリハビリテーションに関する新たな指標やより安全なリハビリテーションを遂行できる可能性がある。 ラットACL再建モデルを用いて,腱移植後にMRAを経時的に撮影することで、骨-腱接合部や移植腱実質部での造影効果の変化について評価する。この撮影方法を経時的に観察することでMRA所見の stagingを判定する。並行して腱移植術後の骨-腱接合部および移植腱の組織学的変化について宿主細胞 の動態、マクロファージ、血管新生などに注目して免疫染色を主体に各種染色方法を用いて評価する。 実際の再建靭帯の十分な破断強度が得られる時期を判定するために引っ張り試験機を用いて生体力学 的特性を評価する。その結果、MRAの所見と、実際の移植腱の成熟の過程を一対一対応をさせること によって、ACL再建術後にMRA所見を判定するだけで移植腱の成熟度合いを推察可能なシステムを構 築し、客観的なACL復帰プロトコールの作製を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画書に記載通りラットACL再建モデルを作製しMRIによる移植腱および骨孔周囲の造営効果について検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度も昨年度と同様に計画書通りに研究を推進していく。MRI撮影のみならず、免疫染色を含めた組織切片作製を行なっていく予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は主にMRIを用いた研究であり、計画当初よりは試薬の費用が少なかった。また次年度に免疫染色を含めた組織学的評価を行う予定であるため次年度に繰越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
免疫染色を含めた組織科学的評価を行なっていく予定である。
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