2016 Fiscal Year Research-status Report
ジャイナ教の死生観に関する基礎的研究―断食死儀礼の規定を中心として
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16K16699
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Research Institution | Otani University |
Principal Investigator |
堀田 和義 大谷大学, 文学部, 非常勤講師 (90548687)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | シュラーヴァカ・アーチャーラ文献 / 断食死儀礼 / ジャイナ教在家信者 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、現在までに入手することのできたシュラーヴァカ・アーチャーラ文献のシノプシス作成を中心とした作業を実施した。この作業により、各文献における断食死儀礼の位置付けを明らかにし、シュラーヴァカ・アーチャーラ文献をいくつかのグループに分類することができた。 また、上記の作業と並行して、12種類のシュラーヴァカ・アーチャーラ文献の電子テキストを入力した。この電子テキストは検索可能(インターネット上での公開を予定している)なものであると同時に、将来、索引等を作成する際の土台となるものである。 2月にはマハーラーシュトラ州プネー市にあるバンダルカル東洋学研究所を訪れ、当研究所所蔵のシュラーヴァカ・アーチャーラ文献の写本、および刊本の調査を行った。当研究所からは所蔵写本のリストが出版されているが、実際に研究所に赴き、手書きのカードを調査したことにより、写本のリストから漏れているものも多くあることが判明した。今回の調査結果に基づいて、上記の写本に関するリストを作成し、将来的に公開する予定である。 初年次の経過報告としては、9月4日に東京大学で行われた日本印度学仏教学会第67回学術大会において「在家信者の7つの悪癖」という題目で、ジャイナ教在家信者が避けるべき悪徳の概要とその起源について報告した。この内容は2016年12月発行の『印度学仏教学研究』第65巻第1号に「ジャイナ教在家信者の7つの悪徳」という題目で投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に予定していたシュラーヴァカ・アーチャーラ文献のシノプシス作成や、各文献における断食死儀礼の位置付けの明確化、シュラーヴァカ・アーチャーラ文献の分類などに関する作業はおおむね順調に進展していると言える。 また、シュラーヴァカ・アーチャーラ文献の検索可能な電子テキストの入力作業に関しても、最低限ではあるが、予定していた分を入力することができた。 写本調査に関しては、予定していたグジャラート州のL.D.Instituteを訪れることはできなかったが、バンダルカル東洋学研究所における調査では、予想以上の成果を得ることができた。 成果報告に関しては、初年度に予定していた宗教倫理学会での発表を行うことはできなかったが、2年目に予定していたロンドン大学アジア・アフリカ研究学院(School of Oriental and African Studies)のワークショップでの発表を予定より早めて行い、大きな成果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目は、初年度の研究成果に基づいて、シュラーヴァカ・アーチャーラ文献における断食死儀礼に関する規定を実際に解読することにより、その全容解明を試みる。 シュラーヴァカ・アーチャーラ文献の検索可能な電子テキストに関しては、複数の若手研究者の協力を得て、初年度以上に積極的に入力作業を進めていく。 また、写本調査に関しては、初年度に予定していたが訪れることのできなかった、グジャラート州のL.D.Instituteを訪れる予定である。そして、時間的な余裕があれば、3年目に予定しているラージャスターン州ラードゥヌーンにあるジャイン・ヴィシュヴァ・バーラティー大学における調査も併せて行いたいと考えている。 成果報告の機会としては、9月に花園大学において行われる日本印度学仏教学会第68回学術大会における発表を予定している。その他にも、国際的なジャイナ教研究に関する学術雑誌への英語論文の投稿も予定している。
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Causes of Carryover |
2年目に予定していたイギリス出張を実施したことにより、謝金の使用などを見送るなどした結果、差額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
初年度に使用しなかった電子テキスト入力の謝金として使用する予定である。
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Research Products
(3 results)