2017 Fiscal Year Research-status Report
日本学者レオン・ド・ロニーのネットワークの研究―未公開資料を活用して―
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16K16804
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
Belouad Chris 関西学院大学, 文学部, 准教授 (20725139)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 日仏文化交流 / 幕末・明治期 / フランス / フランスにおける日本学 / レオン・ド・ロニー |
Outline of Annual Research Achievements |
1) フランスにおけるロニーに関する共同研究 レオン・ド・ロニー研究においては、ロニー文庫がリール市立図書館に保管されていることもあり、リール第三大学がリーダー的な存在である。2014-2015年には、「レオン・ド・ロニー文庫 ヨーロッパにおける日本学の源流」というフランスとベルギーの共同研究プロジェクトが行われており、フランスの中心はリール第三大学の日本学科であった。報告者の研究では、単独での研究調査にとどまらず、ロニー研究の拠点であるリール第三大学との交流および協力関係を築き、強化することも目的としている。この協力関係のもと、上記の共同研究プロジェクトの成果となる書籍Genese des etudes japonaises : autour du fonds Leon de Rosny(『ヨーロッパにおける日本学の源流―レオン・ト・ロニー文庫―』)に分担執筆者として参加。平成29年度にこの書籍の編集担当者と相談しながら章を執筆し、書籍は平成30年度に出版される予定である。
2) フランスの研究誌で日仏交流史に関する特集 2018年度は日本では明治維新150周年、またフランスでは日仏交流160周年に当たり、パリをはじめフランス各地で「ジャポニスム 2018: 響きあう魂」という複合型文化芸術イベントが予定されている。報告者はこの一連のイベントを利用して、より多くの人にロニー関連の研究成果を紹介するため、フランスの研究誌 Historiens et Geographes(『歴史学者と地理学者』)にて日仏文化交流史の特集を計画した。この特集では、報告者を含め日本を拠点とする研究者5名が主に日仏交流に貢献した人物(レオン・ド・ロニー、ジョルジュ・ビゴー、福沢諭吉、ギュスターヴ・エミール・ボアソナードなど)を紹介する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同研究および研究者のネットワーク強化に関しては、当初の計画以上に進展している。リール第三大学日本学科との協力関係を強化し、共同研究を行う課題は当初の計画通りであり、予定通り進んでいる。一方でフランスの研究誌で特集を担当するという課題は当初の計画にはなかったもので、この点では計画以上の成果が出せた。 一方、2017年に報告者の所属機関が変わり、2017年度にフランスで資料調査を行う時間を確保することができなかった。加えて、レオン・ド・ロニーの曾孫2名の都合が合わず、現地で打ち合わせを行うこともできなかった。 2018年度は資料調査を行う必要があるが、全体としてはおおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
課題1:レオン・ド・ロニーの子孫と論文の共同執筆 1) 2018年9月はレオン・ド・ロニーの曾孫2名に会い、未公開資料の調査と分析に取り組む。 2) 両氏との論文執筆の準備を進める。2018年12月に日仏学史学会で論文投稿を予定している。 課題2:図書館での資料調査 1) 2018年9月はフランスに出張し、フランス国立図書館(BNF)及びフランス外務省の資料館(Archives diplomatiques du Ministere des Affaires Etrangeres)にて資料調査を続ける。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:2017年度にフランスで資料調査を行う時間を確保することができなかった。加えて、レオン・ド・ロニーの曾孫2名の都合が合わず、現地で打ち合わせを行うこともできなかったため。
使用計画:1) 日仏交流史に関する研究誌特集に関する費用:遠地にいる研究協力者と打ち合わせを行うための旅費、翻訳者の謝礼など、2018年9月に発刊予定の研究誌Historiens et Geographes(『歴史学者と地理学者』)の日仏交流史の特集を仕上げるために、研究費を使用する(研究費の一部を当てる)。2) 2018年9月のフランス出張:2018年9月にフランスに出張するために研究費を使用する。フランス国立図書館(BnF)およびフランス外務省の資料館(Archives diplomatiques du Ministere des Affaires Etrangeres)で資料調査を行う。加えて、ロニーの曽孫2名と研究に関する打ち合わせも行う。3) 書籍の購入:上記の研究に必要な書籍の購入に、研究費の一部を当てる。
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Research Products
(1 results)