2020 Fiscal Year Research-status Report
災害リスクに関するサプライチェーンの戦略的管理会計研究
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16K17220
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Research Institution | Nagoya University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
原 慎之介 名古屋外国語大学, 現代国際学部, 講師 (20739982)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 管理会計 / サプライチェーン / イベントリスク / リスクマネジメント / レベニューマネジメント / 新型コロナウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、戦略的管理会計の視点から、サプライチェーンにおける災害等のリスクへの対応及び評価について明らかにすることを目的としている。2020年度は、前年度末に保留となっていたインタビュー調査の実施と、感染症という新たなイベントリスクに対する企業の対応について研究を進めた。また、前年度に投稿していた研究論文は、Asia-Pacific Management Accounting Journalの第15巻第1号に掲載された。 インタビュー調査に関しては、新型コロナウイルスの影響があり現地に赴いて実施することが困難であったため、ビデオ会議を通じて実施した。インタビュー対象企業が航空会社というホスピタリティ産業に属する企業であることもあり、サプライチェーンよりも顧客の需要をコントロールするデマンドチェーン、ないしレベニューマネジメントの観点から考察をすすめている。しかしながら、2020年度は新型コロナウイルスが世界的に猛威を振るった1年であり、企業各社も引き続き対応をとっている最中でもある。これまで想定していた、地震のように発生時点にピークが来るタイプのリスクとは異なり、新型コロナウイルスによる被害は長期化、深刻化するという特徴がある。また、過去の感染症にまつわる事例として2002年のSARS、2012年のMERSなどがあるが、今回のケースは世界規模での問題となっている点も特徴的である。こうした点を踏まえて研究の再延長申請を行い、目下研究に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響をうけ、2020年度は大学での講義を全面オンラインで実施することとなり、講義準備に想定外の時間を費やすこととなった。こうした世界規模の感染症という事態は当初の研究テーマでは想定していなかったが、本研究の問題意識と照らし合わせて決して看過できるものではなく、考察を深めて行きたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在実施している航空会社の方へのインタビュー調査を継続的に実施するとともに、2020年度実績を参照して研究をすすめる。考察結果については今秋の学会にて報告する予定である。
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Causes of Carryover |
インタビュー調査、学会や研究会等はオンラインでの実施がほとんどであったため、県をまたがる出張がほぼ実施できず、想定していた出張旅費を使用しなかったため次年度使用額が生じている。今年度も同様の状況が予想されるが、主として追加の文献購入費として使用することを予定している。
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Research Products
(1 results)