2016 Fiscal Year Research-status Report
セグメント業績の違いにおけるのれん及び減損損失額の価値関連性
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16K17223
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
石井 孝和 佐賀大学, 経済学部, 准教授 (80757344)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | のれん / 減損会計 / セグメント情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、個別の企業結合によって生じた各のれんが置かれている状況の違いによってその評価が異なるということを明らかにするために、各セグメントにおけるのれん計上額、のれん償却額及び減損損失額の価値関連性に違いがあるのかについて検証を行い、のれんの規則的償却を行うか否かについて議論に貢献しようとすることを目的としている。平成28年度は、当初の計画通りのれんの会計処理やセグメント情報に関連する文献のレビューを行うとともに、実証的な研究を行うために必要となるデータの収集及び整理を行った。 文献のレビューからは、貸借対照表上に計上されるのれんが経済的価値を有しており、将来CFの予測にも有用であることが確認された。また、セグメント情報に関しては、セグメント数値が連結財務数値に追加的で有用な情報を投資者に提供していることに加え、マネジメント・アプローチの導入以降では価値関連性の増加にも寄与していることが近年の研究において示唆されていることが確認された。本研究では、これらのれんおよびセグメント情報に関する先行研究を参考に実証モデルを構築することにより仮説の検証を進めていく。さらに、研究に必要なデータのうちデータベースから入手することができない項目について、有価証券報告書の注記情報から手収集により入手した。収集した非財務情報を含むデータについてはデータベース化し整理することによって、次年度における実証分析の基礎固めを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度は年度の途中に所属研究機関の異動があったことから、当初使用を予定していたデータベースを利用することができなくなったため、本年度中における研究論文の公表ができなかった。そのため進捗状況としては当初の予定よりはやや遅れた状況となっている。データベースについては平成29年度からの契約で利用可能となることが決まっているため、平成28年度中に蓄積した研究資源をもとに研究論文としてまとめる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に収集したデータをもとに当初の計画通り実証分析を実施する。研究成果については、各種学会や研究会において報告を行い精緻化に努め、研究論文としてまとめることにより公表する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度において、次年度の交付額と合わせてデータベースを購入するために当該年度における交付額の使用を抑えたためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データベースの購入費に充てるほか、研究成果の報告を目的とした学会等に出席するための旅費に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)