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2017 Fiscal Year Research-status Report

衣料産業におけるグローバルな都市間分業―持続的都市成長の原動力――

Research Project

Project/Area Number 16K17242
Research InstitutionPrefectural University of Kumamoto

Principal Investigator

三田 知実  熊本県立大学, 総合管理学部, 准教授 (20707004)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2020-03-31
Keywords衣料文化生産 / 不動産投資法人 / グローバル経済 / 衣料産業のグローバルな再編 / 衣料文化生産をめぐるグローバルな都市間分業 / 衣料衣料文化生産をめぐるグローバルな都市間格差
Outline of Annual Research Achievements

2018年度は、知識生産の拠点である、グローバル都市・東京における衣料文化生産を、グローバル経済と結びつけながら、調査研究をおこなってきた。当初は衣料産業のグローバルな再編のなかで、デザインが発達していると考えていたが、デザイナーやセレクトショップが不動産投資の対象となっており、これが衣料文化生産のグローバルな再編の現代的特性であることがわかった。
近年では衣料デザインや消費文化の集積地における経済効果が期待され、不動産投資法人が土地建物を売買し利ざやを得ている。地方や海外で製造された商品や建物や街区のブランド化を促し不動産価値を高める戦略が、不動産投資法人によって活発になされていることが明らかになった。とくに機関投資家はファッションストリートの物件を住民から購入・管理し土地建物の交換価値を高めながらマージンを得る枠組みが形成されている調査から明らかにされた。
グローバル金融、保険、不動産部門や広告代理店、マーケティング、IT関連企業やコンサルタントという、従来グローバル都市が焦点をあててきた生産者サービスが、衣料文化生産を結びつきはじめ、衰退傾向にあった都心の住宅街がファッションストリートとして持続的都市成長を体験してきた。
このよにグローバル都市では、グローバル経済の進行と、衣料文化生産が強く結びついている。しかし衣料デザインの拠点が生み出されたグローバル都市とは異なり、高級衣料製造部門は、デザイン部門よりも高級ブランド大資本からの安価な製造委託を強いられるなど、大きな問題が発生している。本年度は国内外の職人が集まる諸都市(ボローニャやアムステルダム)に向かい調査を行う。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

先述の通りグローバル都市では、グローバル経済の進行と、衣料文化生産が強く結びついている。しかし衣料デザインの拠点が生み出されたグローバル都市とは異なり、高級衣料製造部門は、高級ブランド大資本からの安価な製造委託を強いられるなど、世界的に大きな問題が発生していることが、聞き取り調査から明らかになった。
デザイナーの諸活動、小売店のセレクトした商品、スタッフの質、顧客の質と消費行動までもが投資のコマとなり、機関投資家がマージンを得るという構図を描きながら、調査研究を行うことができた。
今後は安価な価格で製造を受注している衣料製造業都市で、何が起きているのかという問いを明らかにする。それにより、グローバルな都市間分業体制が、深刻な都市間格差を生み出すという、衣料文化生産とグローバル経済を結びつけた、学術的意義のある研究成果を生み出してゆく準備が整っている。以上の理由によりおおむね順調に進展している。

Strategy for Future Research Activity

本年度は、製造業のグローバルな拠点として機能してきたボローニャの皮革製造工場、アムステルダムのデニム財団や、ベルギー・アントアープ、そしてパリの衣料産業部門の担当者を対象とした聞き取りを行う。世界的高級ブランド大資本の下請け化の進行に関する諸相を明らかにし、衣料産業のグローバルな都市間分業体制のなかで都市間格差が発生していることを実証化し、研究成果として公表する。
衣料産業のグローバルな再編は、グローバル都市と衣料製造業都市とのグローバルな都市間分業体制を生み出したが、投資と衣料デザイン部門が結びついたグローバル都市と、大資本からの下請けになった衣料製造部門との著しい格差を生み出している。
国内外の衣料製造業都市には、未だ職人や素材資源に豊かなため、受注件数が多いものの、工賃の単価が安いため、良質で時間をかけたものを製造しても、安価な報酬のみ得られる。しかも小ロットのため、1件当たりの契約単価が安くなっている。
こうして衣料業をめぐるグローバルな都市間格差が発生していることを、日本国内外の製造業都市の現地調査をつうじて実証化してゆく。さいごに研究の位置づけを明確化してゆきながら、研究成果を公表する。

Causes of Carryover

次年度使用学が大幅に発生した理由は、海外研究報告のほかに、グローバル経済と衣料文化生産を結びつけながら、本研究課題を達成したほうが、当初の見込みよりもはるかに優れた研究成果を生み出すことができる。慎重な追跡調査をおこない、高級ブランド巨大資本が衣料デザイナー、製造者、小売部門や流通、そして顧客を選別する過程を明らかにすると同時に、不動産投資法人による衣料デザイン事務所やセレクトショップなどが集まる、ファッションストリートへの投資状況を、国内外で比較する必要が発生した。
前年度は学内業務に拘束される時間が長すぎ、予定とおり研究成果をかろうじて生み出すことができたが、本年度は余裕をもって、本研究事業にまい進する。

Remarks

「80~90年代、原宿がどのようにしてファッションストリートに変化したのか?」トムソン・ロイター ビデオジャーナリスト リム・メグミ氏による取材・撮影(2017年6月18日撮影)。トムソン・ロイターによる特集番組を制作中とのこと。世界情勢の変化に伴うリム氏のスケジュール変更により、放映日は未定。

  • Research Products

    (3 results)

All 2018 2017

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] 衣料文化生産主導から機関投資家主導の都市細街路成長へ ―東京都渋谷区神宮前の文化生産街区における投資に着目した研究―2018

    • Author(s)
      三田 知実
    • Journal Title

      『日本都市社会学会年報』

      Volume: 36 Pages: 2018年9月公刊

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] 衣料産業の世界的再編による高級衣料製造業都市の変容――倉敷市児島の都市社会学的研究――2017

    • Author(s)
      三田 知実
    • Journal Title

      『アドミニストレーション』

      Volume: 24(2) Pages: pp.21-43

  • [Presentation] The Change of Urban Space in the Close Alleys of Jingu-Mae Shibuya Ward Tokyo: From the standpoint of the Cultural Production and the Global Investment Company2018

    • Author(s)
      Tomomi Mita
    • Organizer
      The 20th International Conference on Cultural Economics
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2018-12-17  

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