2016 Fiscal Year Research-status Report
自閉スペクトラム症における認知的柔軟性欠如の神経メカニズムの解明
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16K17363
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
板橋 貴史 昭和大学, 発達障害医療研究所, 講師 (70636943)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / 安静時fMRI / 島皮質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、認知的柔軟性にかかわる課題の策定を行うことを目的としていた。認知的柔軟性を様々な側面から検討するために複数個の行動課題を策定した。今後は、倫理申請が受理され次第、自閉スペクトラム症(ASD)と定型発達に対して行動課題を実施し、様々な側面からの検証を行う。
上記に加えて、安静時fMRIの解析を行い、自閉スペクトラム症(ASD)と定型発達者で認知的柔軟性にかかわる領域の異常に関する知見が得られないか検証を行った。いくつかある領域の中でも、島皮質は認知的柔軟性や様々な機能に関与していることが知られている。ASDと定型発達者において、島皮質の機能的分化が異なるのかを安静時fMRIおよびクラスタリング手法を用いて検証を行った。ASDは、左右の島皮質において異なる領域での機能分化が定型発達者と異なることが明らかになった。またメタ解析を用いたデコーディングによって、異常のあった領域からの機能結合のパターンの意味などを検証した。得られた結果を、国際専門誌(Molecular Autism)に投稿し、2016年10月に受理された。また、ASDと定型発達社から得た安静時fMRIのglobal correlationに関する解析を行い、6月に開催される国際会議(OHBM)にてポスター発表をする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
行動課題などの策定も終了したため、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
策定した行動課題を実施し、ASDと定型発達群において行動レベルでの差異を検証する。検証した結果を受けて、課題を適宜修正し、行動レベルでの差異に関連する神経基盤を明らかにする。
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Causes of Carryover |
今年度、予算には国際会議などの学会出張を盛り込んでいたが、今年度は学会出張が無かったため、差額が生じたと考える。また今年度は実験を実施していないため、謝礼が発生していないため、差額が生じたと考える。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に行動課題およびfMRI課題を実施する予定であるため、それらの謝礼に充てる予定である。また、国際会議にも出席するため、その旅費に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)