2018 Fiscal Year Research-status Report
多重視点の証明解析による逆数学の汎用化・深化とその応用
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16K17640
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
横山 啓太 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 講師 (10534430)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 数理論理学 / 証明論 / 逆数学 / 算術 / 数学基礎論 / ラムゼイの定理 / 組み合わせ論 / 計算量理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は複数の研究テーマを並行して行い、論文の執筆・投稿を進めた。組み合わせ命題の証明論的分析では、L. Kolodziejczyk博士(ワルシャワ大学)との共同でラムゼイの定理の証明論的強さを決定した定理の証明を有限組み合わせ論により短縮および一般化し、成果について論文を投稿した。またこの結果の一つの応用として、ローマで行われた組み合わせ命題と逆数学に関する会議でJ. Hirst教授(アパラチア州立大)の提示した問題を解決し、同教授らとの共同研究で組み合わせ命題の帰納法公理と非一様性の強さの視点からの研究をすすめ、成果を論文にまとめ投稿した。さらに、前年度より継続して行っていたP. Shafer博士(Leeds大学)らとの共同研究、Ekelandの定理の逆数学分析についても完了した。その成果についての論文も投稿した。 並行して周辺分野へ算術の手法を応用する研究も進めた。Y. Chen教授との共同で算術の手法の計算量理論へ応用する研究も行い、弱い算術体系におけるマティヤセヴィッチの定理と線形計算時間階層の関係についての新しい結果を得た。その成果は計算機科学の国際会議で公表された。さらに、構成的数学への応用として、算術体系における非構成原理の分離を系統的に行う手法として石原教授(北陸先端大)らとの共同でクリプキモデル理論と超準モデル理論を融合させる研究を継続して行っている。加えて、Dzhafarov博士(コネチカット大)との共同で計算可能性理論への応用としてWeihrauch次数理論への算術視点の導入する研究を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度の研究では、組み合わせ命題の再検証の過程において有限組み合わせ論の詳細な議論が必要になり、論文の執筆に想定以上に時間を要した。一方、それらの議論を通じて関連する新たな課題が多数見つかり、研究の視野が大幅に広がった。 研究機関全体を通じ、概ね想定されたペースで研究を進展させることができたと考えている。有限組み合わせ論の手法を証明の長さの分析に応用する研究は、共同研究者の私的な事情もあり一時中断していたが、今年度末に再開し結果の論文への集約を進めている。本研究課題における主要な研究課題は、各々が順調な進展を得て、概ね期待通りの成果を得ることができた。一方、派生する新たな課題が多数見つかったことおよび論文の執筆に想定以上に時間がかかったことにより研究機関を延長することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
延長された研究期間においては、執筆中途段階にある論文が複数あるため、これらを順次完成させ投稿し、研究成果を集約する。また、新たに見出された課題を発展させ、今後の新しい研究テーマにつなげていく。
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Causes of Carryover |
組み合わせ命題と証明論の関係性を調べる研究において、共同研究者の私的な都合により日本への招聘を平成31年度まで遅らせた。また、研究の過程において派生して生じた米国の研究者らとの共同研究課題を進めるため、延長期間である平成31年度分の旅費を一部確保した。
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Research Products
(15 results)