2017 Fiscal Year Annual Research Report
Environmental monitoring system and evaluation of physiological activity status and using plant bioelectric potential
Project/Area Number |
16K18125
|
Research Institution | Daido University |
Principal Investigator |
柴田 慎一 大同大学, 情報学部, 講師 (50634309)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 植物生体電位 / クロロフィル蛍光 / 機械学習 / 生育診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度に実施した研究課題では、主に施設栽培の現場で植物の栄養状態の管理において使用される各pH濃度における培養液栽培化における植物生体電位に関する実験を行った。pHは植物の養分濃度と関係があることが知られており、植物の栄養状態の診断に用いられる指標である。養分濃度が不適正な場合には、栄養欠乏あるいは過剰栄養による生育障害が生じ、生育状態に影響を与えることから植物生体電位にも影響があると考えられる。 本課題では、これらの値を境界として5分割した生育状態(pH減少区間、適正区間、増加区間)を設定し、各実験対象区間の植物生体電位を測定することでpHの各対象区間における生育状態と植物生体電位の関係を明らかにした。具体的には、各培養液をpH2.0、pH5.0、pH7.0、pH9.0、pH12.0の5グループで栽培した。被験植物には、観葉植物ポトス並びにイチゴを使用した。また、植物生体電位の解析方法としてFFT(高速フーリエ変換)とCWT(ウェーブレット変換)による周波数成分の特徴を抽出し検討を行った。各被験植物から得られた周波数成分の特徴量からSVM(サポートベクターマシンン)による学習を行い、クロロフィル蛍光の値から算出した生育状態の識別評価をLOOCVにて行った。 その結果、いずれも90%以上の平均識別率が得られたが、周波数解析による識別結果の違いは確認することはできなかった。今回の実験では生育状態のラベル付けを行った際に、不均衡なクラス数となっていたため、データの偏りを考慮した学習の方が僅かに高い識別結果を得ることができた。未学習の個体の学習データに対する実験を行った結果、こちらも約80%程度の平均識別結果を得ることができた。以上より、本研究課題として設定した「植物生理活性状態の定量的評価を行う」ための植物生体電位による生育診断を評価する識別モデルの基本構築ができた。
|