2017 Fiscal Year Annual Research Report
Multi-scale modeling of nucleation induced by thermal fluctuation
Project/Area Number |
16K18226
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上島 伸文 東北大学, 工学研究科, 助教 (10733131)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | Phase-Field法 / 核生成 / 熱的搖動 / 分子動力学法 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は固液界面エネルギーのサイズ依存性に関して分子動力学法を用いて調査を行った。その結果、Feの固液界面の場合、固相核の大きさが10 nm程度以下となった場合に、平滑な界面と比較して界面エネルギーが低下することが明らかとなった。低下の傾向はTolmanの式を用いておおよそ説明することが可能であった。これと並行して、分子動力学法を用いた揺動の定量化を試みた。Fe液相について分子動力学計算中に現実的な計算時間で自然に核生成が起こるほど過冷却させた場合には、液相状態が凍結されず、正二十面体の短距離規則性が冷却後即座に現れることが明らかとなった。平成29年度には、正二十面体の短距離規則性の発現条件について調査した。二次元的な計算条件で確認されたことから、三次元的な条件の場合を調査したところ、前者と同様に正二十面体の短距離規則性が現れた後に、BCCが核生成し凝固が進行するといった結果となった。また、冷却条件依存性についても調査したところ、融点の2/3倍程度の温度へ冷却した場合においても、正二十面体の短距離規則性が観察された。文献を調査したところ、実験においても正二十面体の規則性が前駆体として観察されている例があり、実態を反映している可能性がある。 Phase-Fieldモデルへの揺動の導入は、準安定状態を考慮に入れると、モデルが複雑化することから、現象論的に捉えることとし、Wangらが提案した方法で揺動を導入することとした。固相変態における変態ひずみ場を考慮したPhase-Field計算によって、定性的ではあるが、弾性エネルギー的に安定となるような対となる2種のバリアントが同時に析出する傾向を再現することが可能なモデルを構築した。核生成を現実的な時間で起こすためには、分子動力学法から計算される揺動よりも大幅に大きな揺動を入れる必要があったものの、古典核生成理論に従う結果が得られた。
|
Remarks |
東北大学大学院工学研究科上島伸文個人ページ http://www.material.tohoku.ac.jp/~koso/ueshima/index.html
|